作業環境測定基準の一部改正について

基発第545号
平成4年10月1日
都道府県労働基準局長 殿
労働省労働基準局長

作業環境測定基準の一部改正について

 作業環境測定基準の一部を改正する件(平成4年労働省告示第73号)は、平成4年9月2日に告示され、同年
10月1日から適用されることとなった。
 今回の改正は、騒音の作業環境測定に係る技術的知見が集積されるとともに、労働安全衛生規則等の一
部を改正する省令(平成4年労働省令第24号)によリ、労働安全衛生規則の騒音の測定に係る規定が改正さ
れたことに伴い行われたものである。
 ついては、下記事項を了知の上、関係者への周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾なきを期された
い。
 なお、昭和51年6月14日付け基発第454号「作業環境測定基準の施行について」の記の3(第4条関係)及
び昭和57年6月14日付け基発第412号「作業環境測定基準の一部改正について」の記の2(第4条関係)は削
除する。
第1 改正の要点
 1 労働安全衛生規則第588条に規定する屋内作業場における騒音の測定について、単位作業場所にお
  ける騒音の平均的な状態を把握するための測定に係る測定点の設定方法、測定時間等に関し所要の整
  備を図ることとしたこと。
 2 音源に近接する場所において作業が行われる単位作業場所にあっては、騒音レベルが最も大きくな
  ると思われる時間に、当該作業が行われる位置において等価騒音レベルを測定することとしたこと。

第2 細部事項
 1 第4条関係
    本条第1号から第2号の測定(以下「A測定」という。)における単位作業揚所の股定に当たっては、
   おおむね80デシベル以上の区域に限定して差し支えないこと。
 2 第4条第1号関係
  (1) 縦の線の間隔と横の線の間隔とは、必ずしも同ーである必要はないが、縦方向及び横方向ごとの
   線の間隔は、同一としなければならないものであること。
  (2) 測定点の設定は、縦の線と横の線との交点のうち、設備等があるため測定が著しく困難な位置に
   おける交点を除いたすぺての交点を測定点とするものであること。
  (3) 本号ただし書の趣旨は、単位作業場所における騒音レベルがほぼ均ーである場合には、必ずしも
   6メートル以下の等間隔で測定点をとらなくても作業環境の実態を把握することが可能であること
   から、測定点の間隔を広げても差し支えないこととしたものであること。
  (4) 本号ただし書の「騒音レベルがほぼ均ーであることが明らかなとき」とは、過去において単位作
   業場所当たリ5以上の測定点で測定を実施した作業環境測定結果の記録によリ、測定値の標準偏差
   が3デシベル以下であることが明らかであリ、かつ、当該測定の実施後、施設又は作業工租等の変
   更による騒音レベルの分布に変化がないときがあること。
    なお、上記測定は、本告示の適用後に実施したものによることが望ましいものであること。
 3 第4条第2号関係
  (1) 本号本文の場合には、縦の線若しくは横の線の間隔の変更又は交点の基点の移動を行うことなど
   によリ、測定点を5以上としなければならないものであること。
  (2) 本号ただし書の「単位作業場所が著しく狭い場合」とは、単位作業場所の広さがおおむね30平方
   メートル以下である場合をいうものであること。
 4 第4条第3号関係
  (1) 本号の測定(以下「B測定」という。)はA測定を補完するための測定であるので、A測定の測定点
   の他にB測定の測定点を追加して行うべきものであること。
  (2) 「騒音レベルが最も大きくなると思われる時間」とは、騒音レベルが最も高くなることが、生産
   工程、作業態様又は作業環境に関する情報及びこれらに関する過去のデータ等から推定される時間
   をいうものであること。
  (3) 「当該作業が行われる位置」とは、音源に近接する場所において作業を行っている労働者の位置
   をいうものであること。
 5 第4条第4号関係
  (1) イの「これと同等以上の性能を有するもの」には、日本工業規格C1505(精密騒音計)に定める規
   格に適合するものが含まれるものであること。
  (2) ロの「聴感補正回路」を「周波数袖正回路」と改めたのは、日本工業規格C1502(普通騒音計)及
   びC1505に規定する用語に合わせたものであること。
 6 第4条第5号関係
   間欠的な騒音又は不規則に変動する騒音を考慮して、1測定点における騒音の測定時間を10分間以
  上の継続した時間としたものであること。
   なお、騒音レベルの日内変動を考慮して、1単位作業場所におけるA測定の開始から終了までの時間
  は1時間以上とすることが望ましいものであること。

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