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労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び特定化学物質障害予防規則等の
一部を改正する省令の施行に係る留意点について

改正履歴
                                       基安発第1119002号
                                        平成20年11月19日
 都道府県労働局労働局長 殿

                               厚生労働省労働基準局安全衛生部長



        労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び特定化学物質障
        害予防規則等の一部を改正する省令の施行に係る留意点について
 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成19年政令第375号。以下「改正政令」という。)及び 特定化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令(平成19年厚生労働省令第155号。以下「改正省令」と いう。)の施行については、平成20年2月29日付け基発第0229001号「労働安全衛生法施行令の一部を改正 する政令及び特定化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令等の施行等について」により指示されて いるところであるが、ホルムアルデヒドは歯科医療、医療機関等による病理学的検査、大学の解剖実習等 において幅広く使用されており、多くの疑義照会等があることから、専門家による検討会を設け、関係団 体等からのヒアリング等を行い、別添のとおり整理を行ったところである。  具体的な施行に当たっては、下記の点に留意の上、関係事業者等に対する改正政令及び改正省令の照会 への対応及び周知に遺漏なきを期されたい。なお、関係団体に対し、別添のとおり周知していることを申 し添える。                       記 1  歯科医療について   次に示す事項に留意し、局署管内の照会へ適切に対応し、必要な周知等を行うこと。 (1) 作業環境測定等    歯科医療においては、ホルムアルデヒド製剤による治療が行われている場合があるが、当該治療に   係る作業が1回当たり30秒程度で、月間取扱い頻度が12回程度である等ホルムアルデヒド製剤の取扱   いが短時間、低頻度であり、気中濃度が著しく低い場合には、作業環境測定の対象とはならないこと。    また、その場合には、当該取扱いに係る労働者は労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以   下「安衛則」という。)第45条第1項の特定業務従事者の健康診断の対象とはならないこと。 (2) 作業主任者    歯科医療においては、ホルムアルデヒド製剤の保管及び配置に際し、作業に従事する労働者がホル   ムアルデヒドに汚染され、又は吸入しないように作業方法を決定するよう、事業者は作業主任者に労   働者を指揮させることが重要であること。 (3) 発散抑制措置    歯科医療においては、ホルムアルデヒド製剤の発散源は口腔内等であり、発散源を囲い込み、又は   発散源にフードを近づけることが医療行為を妨げることがあることから、局所排気装置等の設置が著   しく困難な場合があること。その場合は、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以   下「特化則」という。)第5条第2項に基づき、全体換気装置の設置その他の労働者の健康障害を防止   するための必要な措置を講じなければならないこと。 2  病理学的検査について   次に示す事項に留意し、局署管内の照会へ適切に対応し、必要な周知等を行うこと。 (1) 作業環境測定等    医療機関の病理検査室、衛生検査所等において行われている病理学的検査においては、通常常態と   してホルムアルデヒドが使用されており、法令に基づき定期的に作業環境測定を行い、その結果に基   づき作業環境改善を進めることが必要であること。    一方、医療機関においては、病理検査室、衛生検査所等以外の場所で行われる内視鏡検体等の浸漬   のため、ホルムアルデヒドの溶液の小瓶を開閉する作業を行う場合があるが、当該作業が1回5秒程度   で、1日当たりの取扱い頻度が10回程度である等ホルムアルデヒドの取扱いが短時間、低頻度であり、   気中濃度が著しく低い場合には、作業環境測定の対象とはならないこと。    また、その場合には、当該取扱いに係る労働者は安衛則第45条第1項の特定業務従事者の健康診断   の対象とはならないこと。 (2) 作業主任者    病理学的検査においては、当該検査を行う場所の空気中のホルムアルデヒドの濃度低減を行うため、   ホルムアルデヒドを使用する場所の集中化、有害性の少ない製品への変更、臓器等の保管室での二重   包装等の作業方法の改善等が有効であることから、事業者は、作業主任者にこうした事項を労働者に   指揮させることが重要であること。 (3) 発散抑制措置    病理学的検査においては、作業を人員及び設備の整っている病理検査室、衛生検査所等に可能な限   り集中化することがホルムアルデヒドにばく露するリスクの低減化には重要であること。作業を集中   化した病理検査室、衛生検査所等は、局所排気装置等を設置し、労働者のばく露防止対策を行うこと   が必要であること。    一方、病理検査室、衛生検査所等以外においては、手術室では患者の感染防止のため室内を陽圧に   保つ必要があること、その設置が医療行為を妨げること等から、局所排気装置等の設置が著しく困難   な場合がある。その場合は、特化則第5条第2項に基づき、全体換気装置の設置その他の労働者の健康   障害を防止するための必要な措置を講じなければならないこと。 (4) その他    (2)の作業方法の改善等については、日本病理学会が示している具体的な作業改善事例等を参考と   することが有効であること。 3  解剖について   次に示す事項に留意し、局署管内の照会へ適切に対応し、必要な周知等を行うこと。 (1) 作業環境測定    大学の解剖準備室における解剖体の防腐処置等の作業及び司法解剖については、通常年間を通じて   ホルムアルデヒドが取り扱われており、法令に基づき定期的に作業環境測定を行い、その結果に基づ   き作業環境改善を進めることが必要であること。    大学の解剖実習室における解剖実習については、通常実習期間が6か月に満たない作業であるが、   毎年繰り返し行う作業であり、解剖実習室の作業環境改善に有効であることから、ホルムアルデヒド   の発生が多いと考えられる解剖の開始時等に定期的に測定を行い、測定結果に基づき、作業環境改善   を行うことが望ましいこと (2) 作業主任者    解剖においては、事業者は作業主任者に、作業に従事する労働者等がホルムアルデヒドに汚染され、   又はこれを吸入しないように、作業方法を決定させるとともに、保護具の使用状況を監視させること   等が重要であること。 (3) 発散抑制措置    解剖準備室、解剖実習室及び司法解剖室においては、局所排気装置等の設置による労働者のばく露   防止対策を行うことが基本であるが、特に解剖実習室では、実習のための解剖体が25体程度と発散源   が多いこと、実習の作業の特性上剖出した臓器が新たな発散源となること、剖出した臓器を計測する   場合には発散源を移動させることになること等から、局所排気装置等の設置が著しく困難な場合があ   ること。その場合は、特化則第5条第2項に基づき、全体換気装置の設置その他の労働者の健康障害を   防止するための必要な措置を講じなければならないこと。 (4) その他    解剖におけるホルムアルデヒドのばく露防止対策については、日本解剖学会が具体的な作業事例等   を示す予定であること。 4 その他   検討会の資料については、http://www.mhlw.go.jp/shingi/other.html#roudou で公表していること。