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酸素欠乏症等防止規則 第三章 特殊な作業における防止措置
(第十八条−第二十五条の二)

酸素欠乏症等予防規則 目次

(ボーリング等)
第十八条  事業者は、ずい道その他坑を掘削する作業に労働者を従事させる場合で、メタン又は炭酸ガス
  の突出により労働者が酸素欠乏症にかかるおそれのあるときは、あらかじめ、作業を行なう場所及びそ
  の周辺について、メタン又は炭酸ガスの有無及び状態をボーリングその他適当な方法により調査し、そ
  の結果に基づいて、メタン又は炭酸ガスの処理の方法並びに掘削の時期及び順序を定め、当該定めによ
  り作業を行なわなければならない。  

(消火設備等に係る措置)
第十九条  事業者は、地下室、機関室、船倉その他通風が不十分な場所に備える消火器又は消火設備で炭
  酸ガスを使用するものについては、次の措置を講じなければならない。
  一  労働者が誤つて接触したことにより、容易に転倒し、又はハンドルが容易に作動することのないよ
    うにすること。
  二  みだりに作動させることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により
  禁止するとともに、表示以外の方法により禁止したときは、みだりに作動させることが禁止されてい
  る旨を見やすい箇所に表示すること。

(冷蔵室等に係る措置)
第二十条  事業者は、冷蔵室、冷凍室、むろその他密閉して使用する施設又は設備の内部における作業に
 労働者を従事させる場合は、労働者が作業に従事する間、当該施設又は設備の出入口の扉又は蓋が締ま
 らないような措置を講じなければならない。ただし、当該施設若しくは設備の出入口の扉若しくは蓋が
 内部から容易に開くことができる構造のものである場合又は当該施設若しくは設備の内部に通報装置若
 しくは警報装置が設けられている場合は、この限りでない。
 事業者は、前項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、請負人が作業に従事する間(労働者が
 作業に従事するときを除く。)、同項の措置を講ずること等について配慮しなければならない。ただし、
 同項ただし書の場合は、この限りでない。

(溶接に係る措置)
第二十一条  事業者は、タンク、ボイラー又は反応塔の内部その他通風が不十分な場所において、アルゴ
  ン、炭酸ガス又はヘリウムを使用して行う溶接の作業に労働者を従事させるときは、次の各号のいずれ
 かの措置を講じなければならない。
  一  作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を十八パーセント以上に保つように換気すること。
  二  労働者に空気呼吸器等を使用させること。
  第七条の規定は、前項第二項の空気呼吸器等について準用する。
  労働者は、第一項第二号の場合において、空気呼吸器等の使用を命じられたときは、これを使用しな
  ければならない。
 事業者は、第一項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、次の各号のいずれかの措置を講じな
 ければならない。
 一 請負人が作業に従事する間(労働者が作業に従事するときを除く。)、作業を行う場所の空気中の
  酸素の濃度を十八パーセント以上に保つように換気すること等について配慮すること。
 二 請負人に対し、空気呼吸器等を使用する必要がある旨を周知させること。

(ガス漏出防止措置)
第二十二条  事業者は、ボイラー、タンク、反応塔、船倉等の内部で令別表第六第十一号の気体(以下
  「不活性気体」という。)を送給する配管があるところにおける作業に労働者を従事させるときは、次
  の措置を講じなければならない。
  一  バルブ若しくはコックを閉止し、又は閉止板を施すこと。
  二  前号により閉止したバルブ若しくはコック又は施した閉止板には施錠をし、これらを開放してはな
    らない旨を見やすい箇所に表示すること。
  事業者は、不活性気体を送給する配管のバルブ若しくはコック又はこれらを操作するためのスイッチ、
  押しボタン等については、これらの誤操作による不活性気体の漏出を防止するため、配管内の不活性気
  体の名称及び開閉の方向を表示しなければならない。
 事業者は、第一項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、請負人が作業に従事する間(労働者
 が作業に従事するときを除く。)、同項各号の措置を講ずること等について配慮しなければならない。

(ガス排出に係る措置)
第二十二条の二  事業者は、タンク、反応塔等の容器の安全弁等から排出される不活性気体が流入するお
  それがあり、かつ、通風又は換気が不十分である場所における作業に労働者を従事させるときは、当該
  安全弁等から排出される不活性気体を直接外部へ放出することができる設備を設ける等当該不活性気体
  が当該場所に滞留することを防止するための措置を講じなければならない。

(空気の稀薄化の防止)
第二十三条  事業者は、その内部の空気を吸引する配管(その内部の空気を換気するためのものを除く。)
 に通ずるタンク、反応塔その他密閉して使用する施設又は設備の内部における作業に労働者を従事させ
 るときは、労働者が作業に従事する間、当該施設又は設備の出入口の蓋又は扉が締まらないような措置
 を講じなければならない。
 事業者は、前項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、請負人が作業に従事する間(労働者が
 作業に従事するときを除く。)、同項の措置を講ずること等について配慮しなければならない。

(ガス配管工事に係る措置)
第二十三条の二  事業者は、地下室又は溝の内部その他通風が不十分な場所において、メタン、エタン、
  プロパン若しくはブタンを主成分とするガス又はこれらに空気を混入したガスを送給する配管を取り外
  し、又は取り付ける作業に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなければならない。
  一  配管を取り外し、又は取り付ける箇所にこれらのガスが流入しないように当該ガスを確実に遮断す
    ること。
  二  作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を十八パーセント以上に保つように換気し、又は労働者に空
    気呼吸器等を使用させること。
  第七条の規定は、前項第二号の規定により使用させる空気呼吸器等について準用する。
 事業者は、第一項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、次の措置を講じなければならない。
 一 第一項第一号の措置を講ずること等について配慮すること。
 二 請負人が作業に従事する間(労働者が作業に従事するときを除く。)、作業を行う場所の空気中の
  酸素の濃度を十八パーセント以上に保つように換気すること等について配慮し、又は請負人に空気呼
  吸器等を使用する必要がある旨を周知させること。
  労働者は、第一項第二号の場合において、空気呼吸器等の使用を命じられたときは、これを使用しな
  ければならない。

(圧気工法に係る措置)
第二十四条  事業者は、令別表第六第一号イ若しくはロに掲げる地層が存在する箇所又はこれに隣接する
  箇所において圧気工法による作業を行うときは、適時、当該作業により酸素欠乏の空気が漏出するおそ
  れのある井戸又は配管について、空気の漏出の有無、その程度及びその空気中の酸素の濃度を調査しな
  ければならない。
  事業者は、前項の調査の結果、酸素欠乏の空気が漏出しているときは、その旨を関係者に通知し、酸
  素欠乏症の発生を防止するための方法を教示し、酸素欠乏の空気が漏出している場所への立ち入りを禁
  止する等必要な措置を講じなければならない。

(地下室等に係る措置)
第二十五条  事業者は、令別表第六第一号イ若しくはロに掲げる地層に接し、又は当該地層に通ずる井戸
  若しくは配管が設けられている地下室、ピツト等の内部における作業に労働者を従事させるときは、酸
  素欠乏の空気が漏出するおそれのある箇所を閉そくし、酸素欠乏の空気を直接外部へ放出することがで
  きる設備を設ける等酸素欠乏の空気が作業を行なう場所に流入することを防止するための措置を講じな
  ければならない。

(設備の改造等の作業)
第二十五条の二  事業者は、し尿、腐泥、汚水、パルプ液その他腐敗し、若しくは分解しやすい物質を入
  れてあり、若しくは入れたことのあるポンプ若しくは配管等又はこれらに附属する設備の改造、修理、
  清掃等を行う場合において、これらの設備を分解する作業に労働者を従事させるときは、次の措置を講
  じなければならない。
  一  作業の方法及び順序を決定し、あらかじめ、これらを作業に従事する労働者に周知させること。
  二  硫化水素中毒の防止について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、その者に当該作業
    を指揮させること。
  三  作業を行う設備から硫化水素を確実に排出し、かつ、当該設備に接続しているすべての配管から当
    該設備に硫化水素が流入しないようバルブ、コック等を確実に閉止すること。
  四  前号により閉止したバルブ、コック等には、施錠をし、これらを開放してはならない旨を見やすい
    箇所に表示し、又は監視人を置くこと。
  五  作業を行う設備の周辺における硫化水素の濃度の測定を行い、労働者が硫化水素中毒にかかるおそ
    れがあるときは、換気その他必要な措置を講ずること。
 事業者は、前項の作業の一部を請負人に請け負わせるとき(労働者が当該作業に従事するときを除く。)
 は、当該請負人に対し、同項第三号及び第四号の措置を講ずること等について配慮するとともに、同項
 第五号のおそれがあるときは、当該請負人に対し、換気その他必要な措置を講ずること等について配慮
 しなければならない。