防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について

基発0525第3号
令和5年5月25日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長

防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について

 標記について、これまで防じんマスク、防毒マスク等の呼吸用保護具を使用する労働者の健康障害を防
止するため、「防じんマスクの選択、使用等について」(平成17年2月7日付け基発第0207006号。以下
「防じんマスク通達」という。)及び「防毒マスクの選択、使用等について」(平成17年2月7日付け基発第
0207007号。以下「防毒マスク通達」という。)により、その適切な選択、使用、保守管理等に当たって留
意すべき事項を示してきたところである。
 今般、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省令第91号。以下「改正省令」とい
う。)等により、新たな化学物質管理が導入されたことに伴い、呼吸用保護具の選択、使用等に当たって
の留意事項を下記のとおり定めたので、関係事業場に対して周知を図るとともに、事業場の指導に当たっ
て遺漏なきを期されたい。
 なお、防じんマスク通達及び防毒マスク通達は、本通達をもって廃止する。
第1 共通事項
1 趣旨等
  改正省令による改正後の労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第
 577条の2第1項において、事業者に対し、リスクアセスメントの結果等に基づき、代替物の使用、発散
 源を密閉する設備、局所排気装置又は全体換気装置の設置及び稼働、作業の方法の改善、有効な呼吸用
 保護具を使用させること等必要な措置を講ずることにより、リスクアセスメント対象物に労働者がばく
 露される程度を最小限度にすることが義務付けられた。さらに、同条第2項において、厚生労働大臣が
 定めるものを製造し、又は取り扱う業務を行う屋内作業場においては、労働者がこれらの物にばく露さ
 れる程度を、厚生労働大臣が定める濃度の基準(以下「濃度基準値」という。)以下とすることが事業者
 に義務付けられた。
  これらを踏まえ、化学物質による健康障害防止のための濃度の基準の適用等に関する技術上の指針
 (令和5年4月27日付け技術上の指針第24号。以下「技術上の指針」という。)が定められ、化学物質等に
 よる危険性又は有害性等の調査等に関する指針(平成27年9月18日付け危険性又は有害性等の調査等に関
 する指針公示第3号。以下「化学物質リスクアセスメント指針」という。)と相まって、リスクアセスメ
 ント及びその結果に基づく必要な措置のために実施すべき事項が規定されている。
  本指針は、化学物質リスクアセスメント指針及び技術上の指針で定めるリスク低減措置として呼吸用
 保護具を使用する場合に、その適切な選択、使用、保守管理等に当たって留意すべき事項を示したもの
 である。

2 基本的考え方
 (1) 事業者は、化学物質リスクアセスメント指針に規定されているように、危険性又は有害性の低い物
  質への代替、工学的対策、管理的対策、有効な保護具の使用という優先順位に従い、対策を検討し、
  労働者のばく露の程度を濃度基準値以下とすることを含めたリスク低減措置を実施すること。その際、
  保護具については、適切に選択され、使用されなければ効果を発揮しないことを踏まえ、本質安全化、
  工学的対策等の信頼性と比較し、最も低い優先順位が設定されていることに留意すること。
 (2) 事業者は、労働者の呼吸域における物質の濃度が、保護具の使用を除くリスク低減措置を講じても
  なお、当該物質の濃度基準値を超えること等、リスクが高い場合、有効な呼吸用保護具を選択し、労
  働者に適切に使用させること。その際、事業者は、呼吸用保護具の選択及び使用が適切に実施されな
  ければ、所期の性能が発揮されないことに留意し、呼吸用保護具が適切に選択及び使用されているか
  の確認を行うこと。

3 管理体制等
 (1) 事業者は、リスクアセスメントの結果に基づく措置として、労働者に呼吸用保護具を使用させると
  きは、保護具に関して必要な教育を受けた保護具着用管理責任者(安衛則第12条の6第1項に規定する
  保護具着用管理責任者をいう。以下同じ。)を選任し、次に掲げる事項を管理させなければならない
  こと。
  ア 呼吸用保護具の適正な選択に関すること
  イ 労働者の呼吸用保護具の適正な使用に関すること
  ウ 呼吸用保護具の保守管理に関すること
  エ 改正省令による改正後の特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下「特化則」
   という。)第36条の3の2第4項等で規定する第三管理区分に区分された場所(以下「第三管理区分場
   所」という。)における、同項第1号及び第2号並びに同条第5項第1号から第3号までに掲げる措置の
   うち、呼吸用保護具に関すること
  オ 第三管理区分場所における特定化学物質作業主任者の職務(呼吸用保護具に関する事項に限る。)
   について必要な指導を行うこと
 (2) 事業者は、化学物質管理者の管理の下、保護具着用管理責任者に、呼吸用保護具を着用する労働者
  に対して、作業環境中の有害物質の種類、発散状況、濃度、作業時のばく露の危険性の程度等につい
  て教育を行わせること。また、事業者は、保護具着用管理責任者に、各労働者が着用する呼吸用保護
  具の取扱説明書、ガイドブック、パンフレット等(以下「取扱説明書等」という。)に基づき、適正な
  装着方法、使用方法及び顔面と面体の密着性の確認方法について十分な教育や訓練を行わせること。
 (3) 事業者は、保護具着用管理責任者に、安衛則第577条の2第11項に基づく有害物質のばく露の状況の
  記録を把握させ、ばく露の状況を踏まえた呼吸用保護具の適正な保守管理を行わせること。

4 呼吸用保護具の選択
 (1) 呼吸用保護具の種類の選択
  ア 事業者は、あらかじめ作業場所に酸素欠乏のおそれがないことを労働者等に確認させること。酸
   素欠乏又はそのおそれがある場所及び有害物質の濃度が不明な場所ではろ過式呼吸用保護具を使用
   させてはならないこと。酸素欠乏のおそれがある場所では、日本産業規格 T 8150「呼吸用保護具
   の選択、使用及び保守管理方法」(以下「JIS T 8150」という。)を参照し、指定防護係数が1000
   以上の全面形面体を有する、別表2及び別表3に記載している循環式呼吸器、空気呼吸器、エアライ
   ンマスク及びホースマスク(以下「給気式呼吸用保護具」という。)の中から有効なものを選択する
   こと。
  イ 防じんマスク及び防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具(以下「P-PAPR」という。)は、
   酸素濃度18%以上の場所であっても、有害なガス及び蒸気(以下「有毒ガス等」という。)が存在す
   る場所においては使用しないこと。このような場所では、防毒マスク、防毒機能を有する電動ファ
   ン付き呼吸用保護具(以下「G-PAPR」という。)又は給気式呼吸用保護具を使用すること。粉じん作
   業であっても、他の作業の影響等によって有毒ガス等が流入するような場合には、改めて作業場の
   作業環境の評価を行い、適切な防じん機能を有する防毒マスク、防じん機能を有するG-PAPR又は給
   気式呼吸用保護具を使用すること。
  ウ 安衛則第280条第1項において、引火性の物の蒸気又は可燃性ガスが爆発の危険のある濃度に達す
   るおそれのある箇所において電気機械器具(電動機、変圧器、コード接続器、開閉器、分電盤、配
   電盤等電気を通ずる機械、器具その他の設備のうち配線及び移動電線以外のものをいう。以下同じ。)
   を使用するときは、当該蒸気又はガスに対しその種類及び爆発の危険のある濃度に達するおそれに
   応じた防爆性能を有する防爆構造電気機械器具でなければ使用してはならない旨規定されており、
   非防爆タイプの電動ファン付き呼吸用保護具を使用してはならないこと。また、引火性の物には、
   常温以下でも危険となる物があることに留意すること。
  エ 安衛則第281条第1項又は第282条第1項において、それぞれ可燃性の粉じん(マグネシウム粉、ア
   ルミニウム粉等爆燃性の粉じんを除く。)又は爆燃性の粉じんが存在して爆発の危険のある濃度に
   達するおそれのある箇所及び爆発の危険のある場所で電気機械器具を使用するときは、当該粉じん
   に対し防爆性能を有する防爆構造電気機械器具でなければ使用してはならない旨規定されており、
   非防爆タイプの電動ファン付き呼吸用保護具を使用してはならないこと。
 (2) 要求防護係数を上回る指定防護係数を有する呼吸用保護具の選択
  ア 金属アーク等溶接作業を行う事業場においては、「金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作
   業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等」(令和2年厚生労働省告示第286号。以下「アーク
   溶接告示」という。)で定める方法により、第三管理区分場所においては、「第三管理区分に区分
   された場所に係る有機溶剤等の濃度の測定の方法等」(令和4年厚生労働省告示第341号。以下「第
   三管理区分場所告示」という。)に定める方法により濃度の測定を行い、その結果に基づき算出さ
   れた要求防護係数を上回る指定防護係数を有する呼吸用保護具を使用しなければならないこと。
  イ 濃度基準値が設定されている物質については、技術上の指針の3から6に示した方法により測定し
   た当該物質の濃度を用い、技術上の指針の7-3に定める方法により算出された要求防護係数を上回
   る指定防護係数を有する呼吸用保護具を選択すること。
  ウ 濃度基準値又は管理濃度が設定されていない物質で、化学物質の評価機関によりばく露限界の設
   定がなされている物質については、原則として、技術上の指針の2-1(3)及び2-2に定めるリスクア
   セスメントのための測定を行い、技術上の指針の5-1(2)アで定める八時間時間加重平均値を八時間
   時間加重平均のばく露限界(TWA)と比較し、技術上の指針の5-1(2)イで定める十五分間時間加重平
   均値を短時間ばく露限界値(STEL)と比較し、別紙1の計算式によって要求防護係数を求めること。
    さらに、求めた要求防護係数と別表1から別表3までに記載された指定防護係数を比較し、要求防
   護係数より大きな値の指定防護係数を有する呼吸用保護具を選択すること。
  エ 有害物質の濃度基準値やばく露限界に関する情報がない場合は、化学物質管理者、化学物質管理
   専門家をはじめ、労働衛生に関する専門家に相談し、適切な指定防護係数を有する呼吸用保護具を
   選択すること。	
 (3) 法令に保護具の種類が規定されている場合の留意事項
   安衛則第592条の5有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号。以下「有機則」という。)第
  33条鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第37号。以下「鉛則」という。)第58条四アルキル鉛中毒
  予防規則(昭和47年労働省令第38号。以下「四アルキル鉛則」という。)第4条特化則第38条の13及
  び第43条電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)第38条並び
  に粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号。以下「粉じん則」という。)第27条のほか労働安全
  衛生法令に定める防じんマスク、防毒マスク、P-PAPR又はG-PAPRについては、法令に定める有効な性
  能を有するものを労働者に使用させなければならないこと。なお、法令上、呼吸用保護具のろ過材の
  種類等が指定されているものについては、別表5を参照すること。
   なお、別表5中の金属のヒューム(溶接ヒュームを含む。)及び鉛については、化学物質としての有
  害性に着目した基準値により要求防護係数が算出されることとなるが、これら物質については、粉じ
  んとしての有害性も配慮すべきことから、算出された要求防護係数の値にかかわらず、ろ過材の種類
  をRS2、RL2、DS2、DL2以上のものとしている趣旨であること。
 (4) 呼吸用保護具の選択に当たって留意すべき事項
  ア 事業者は、有害物質を直接取り扱う作業者について、作業環境中の有害物質の種類、作業内容、
   有害物質の発散状況、作業時のばく露の危険性の程度等を考慮した上で、必要に応じ呼吸用保護具
   を選択、使用等させること。
  イ 事業者は、防護性能に関係する事項以外の要素(着用者、作業、作業強度、環境等)についても考
   慮して呼吸用保護具を選択させること。なお、呼吸用保護具を着用しての作業は、通常より身体に
   負荷がかかることから、着用者によっては、呼吸用保護具着用による心肺機能への影響、閉所恐怖
   症、面体との接触による皮膚炎、腰痛等の筋骨格系障害等を生ずる可能性がないか、産業医等に確
   認すること。
  ウ 事業者は、保護具着用管理責任者に、呼吸用保護具の選択に際して、目の保護が必要な場合は、
   全面形面体又はルーズフィット形呼吸用インタフェースの使用が望ましいことに留意させること。
  エ 事業者は、保護具着用管理責任者に、作業において、事前の計画どおりの呼吸用保護具が使用さ
   れているか、着用方法が適切か等について確認させること。
  オ 作業者は、事業者、保護具着用管理責任者等から呼吸用保護具着用の指示が出たら、それに従う
   こと。また、作業中に臭気、息苦しさ等の異常を感じたら、速やかに作業を中止し避難するととも
   に、状況を保護具着用管理責任者等に報告すること。	

5 呼吸用保護具の適切な装着
 (1) フィットテストの実施
   金属アーク溶接等作業を行う作業場所においては、アーク溶接告示で定める方法により、第三管理
  区分場所においては、第三管理区分場所告示に定める方法により、1年以内ごとに1回、定期に、フィ
  ットテストを実施しなければならないこと。
   上記以外の事業場であって、リスクアセスメントに基づくリスク低減措置として呼吸用保護具を労
  働者に使用させる事業場においては、技術上の指針の7-4及び次に定めるところにより、1年以内ごと
  に1回、フィットテストを行うこと。
  ア 呼吸用保護具(面体を有するものに限る。)を使用する労働者について、JIS T 8150に定める方法
   又はこれと同等の方法により当該労働者の顔面と当該呼吸用保護具の面体との密着の程度を示す係
   数(以下「フィットファクタ」という。)を求め、当該フィットファクタが要求フィットファクタを
   上回っていることを確認する方法とすること。
  イ フィットファクタは、別紙2により計算するものとすること。
  ウ 要求フィットファクタは、別表4に定めるところによること。
 (2) フィットテストの実施に当たっての留意事項
  ア フィットテストは、労働者によって使用される面体がその労働者の顔に密着するものであるか否
   かを評価する検査であり、労働者の顔に合った面体を選択するための方法(手順は、JIS T 8150を
   参照。)である。なお、顔との密着性を要求しないルーズフィット形呼吸用インタフェースは対象
   外である。面体を有する呼吸用保護具は、面体が労働者の顔に密着した状態を維持することによっ
   て初めて呼吸用保護具本来の性能が得られることから、フィットテストにより適切な面体を有する
   呼吸用保護具を選択することは重要であること。
  イ 面体を有する呼吸用保護具については、着用する労働者の顔面と面体とが適切に密着していなけ
   れば、呼吸用保護具としての本来の性能が得られないこと。特に、着用者の吸気時に面体内圧が陰
   圧(すなわち、大気圧より低い状態)になる防じんマスク及び防毒マスクは、着用する労働者の顔面
   と面体とが適切に密着していない場合は、粉じんや有毒ガス等が面体の接顔部から面体内へ漏れ込
   むことになる。また、通常の着用状態であれば面体内圧が常に陽圧(すなわち、大気圧より高い状
   態)になる面体形の電動ファン付き呼吸用保護具であっても、着用する労働者の顔面と面体とが適
   切に密着していない場合は、多量の空気を使用することになり、連続稼働時間が短くなり、場合に
   よっては本来の防護性能が得られない場合もある。
  ウ 面体については、フィットテストによって、着用する労働者の顔面に合った形状及び寸法の接顔
   部を有するものを選択及び使用し、面体を着用した直後には、(3)に示す方法又はこれと同等以上
   の方法によってシールチェック(面体を有する呼吸用保護具を着用した労働者自身が呼吸用保護具
   の装着状態の密着性を調べる方法。以下同じ。)を行い、各着用者が顔面と面体とが適切に密着し
   ているかを確認すること。
  エ 着用者の顔面と面体とを適正に密着させるためには、着用時の面体の位置、しめひもの位置及び
   締め方等を適切にさせることが必要であり、特にしめひもについては、耳にかけることなく、後頭
   部において固定させることが必要であり、加えて、次の①、②、③のような着用を行わせないこと
   に留意すること。
   ①面体と顔の間にタオル等を挟んで使用すること。
   ②着用者のひげ、もみあげ、前髪等が面体の接顔部と顔面の間に入り込む、排気弁の作動を妨害す
    る等の状態で使用すること。
   ③ヘルメットの上からしめひもを使用すること。
  オ フィットテストは、定期に実施するほか、面体を有する呼吸用保護具を選択するとき又は面体の
   密着性に影響すると思われる顔の変形(例えば、顔の手術などで皮膚にくぼみができる等)があった
   ときに、実施することが望ましいこと。
  カ フィットテストは、個々の労働者と当該労働者が使用する面体又はこの面体と少なくとも接顔部
   の形状、サイズ及び材質が同じ面体との組合せで行うこと。合格した場合は、フィットテストと同
   じ型式、かつ、同じ寸法の面体を労働者に使用させ、不合格だった場合は、同じ型式であって寸法
   が異なる面体若しくは異なる型式の面体を選択すること又はルーズフィット形呼吸用インタフェー
   スを有する呼吸用保護具を使用すること等について検討する必要があること。
 (3) シールチェックの実施
   シールチェックは、ろ過式呼吸用保護具(電動ファン付き呼吸用保護具については、面体形のみ)の
  取扱説明書に記載されている内容に従って行うこと。シールチェックの主な方法には、陰圧法と陽圧
  法があり、それぞれ次のとおりであること。なお、ア及びイに記載した方法とは別に、作業場等に備
  え付けた簡易機器等によって、簡易に密着性を確認する方法(例えば、大気じんを利用する機器、面
  体内圧の変動を調べる機器等)がある。
  ア 陰圧法によるシールチェック
    面体を顔面に押しつけないように、フィットチェッカー等を用いて吸気口をふさぐ(連結管を有
   する場合は、連結管の吸気口をふさぐ又は連結管を握って閉塞させる)。息をゆっくり吸って、面
   体の顔面部と顔面との間から空気が面体内に流入せず、面体が顔面に吸いつけられることを確認す
   る。
  イ 陽圧法によるシールチェック
    面体を顔面に押しつけないように、フィットチェッカー等を用いて排気口をふさぐ。息を吐いて、
   空気が面体内から流出せず、面体内に呼気が滞留することによって面体が膨張することを確認する。

6 電動ファン付き呼吸用保護具の故障時等の措置
 (1) 電動ファン付き呼吸用保護具に付属する警報装置が警報を発したら、速やかに安全な場所に移動す
  ること。警報装置には、ろ過材の目詰まり、電池の消耗等による風量低下を警報するもの、電池の電
  圧低下を警報するもの、面体形のものにあっては、面体内圧が陰圧に近づいていること又は達したこ
  とを警報するもの等があること。警報装置が警報を発した場合は、新しいろ過材若しくは吸収缶又は
  充電された電池との交換を行うこと。
 (2) 電動ファン付き呼吸用保護具が故障し、電動ファンが停止した場合は、速やかに退避すること。
 
第2 防じんマスク及びP-PAPRの選択及び使用に当たっての留意事項
1 防じんマスク及びP-PAPRの選択
 (1) 防じんマスク及びP-PAPRは、機械等検定規則(昭和47年労働省令第45号。以下「検定則」という。)
  第14条の規定に基づき付されている型式検定合格標章により、型式検定合格品であることを確認する
  こと。なお、吸気補助具付き防じんマスクについては、検定則に定める型式検定合格標章に「補」が
  記載されている。
   また、吸気補助具が分離できるもの等、2箇所に型式検定合格標章が付されている場合は、型式検
  定合格番号が同一となる組合せが適切な組合せであり、当該組合せで使用して初めて型式検定に合格
  した防じんマスクとして有効に機能するものであること。
 (2) 安衛則第592条の5鉛則第58条特化則第43条電離則第38条及び粉じん則第27条のほか労働安
  全衛生法令に定める呼吸用保護具のうちP-PAPRについては、粉じん等の種類及び作業内容に応じ、令
  和5年厚生労働省告示第88号による改正後の電動ファン付き呼吸用保護具の規格(平成26年厚生労働省
  告示第455号。以下「改正規格」という。)第2条第4項及び第5項のいずれかの区分に該当するものを
  使用すること。
 (3) 防じんマスクを選択する際は、次の事項について留意の上、防じんマスクの性能等が記載されてい
  る取扱説明書等を参考に、それぞれの作業に適した防じんマスクを選択するすること。
  ア 粉じん等の有害性が高い場合又は高濃度ばく露のおそれがある場合は、できるだけ粒子捕集効率
   が高いものであること。
  イ 粉じん等とオイルミストが混在する場合には、区分がLタイプ(RL3、RL2、RL1、DL3、DL2及び
   DL1)の防じんマスクであること。
  ウ 作業内容、作業強度等を考慮し、防じんマスクの重量、吸気抵抗、排気抵抗等が当該作業に適し
   たものであること。特に、作業強度が高い場合にあっては、P-PAPR、送気マスク等、吸気抵抗及び
   排気抵抗の問題がない形式の呼吸用保護具の使用を検討すること。
 (4) P-PAPRを選択する際は、次の事項について留意の上、P-PAPRの性能が記載されている取扱説明書
  等を参考に、それぞれの作業に適したP-PAPRを選択すること。
  ア 粉じん等の種類及び作業内容の区分並びにオイルミスト等の混在の有無の区分のうち、複数の性
   能のP-PAPRを使用することが可能(別表5参照)であっても、作業環境中の粉じん等の種類、作業内
   容、粉じん等の発散状況、作業時のばく露の危険性の程度等を考慮した上で、適切なものを選択す
   ること。
  イ 粉じん等とオイルミストが混在する場合には、区分がLタイプ(PL3、PL2及びPL1)のろ過材を選
   択すること。
  ウ 着用者の作業中の呼吸量に留意して、「大風量形」又は「通常風量形」を選択すること。
  エ 粉じん等に対して有効な防護性能を有するものの範囲で、作業内容を考慮して、呼吸用インタフ
   ェース(全面形面体、半面形面体、フード又はフェイスシールド)について適するものを選択するこ
   と。	
	
2 防じんマスク及びP-PAPRの使用
 (1) ろ過材の交換時期については、次の事項に留意すること。
  ア ろ過材を有効に使用できる時間は、作業環境中の粉じん等の種類、粒径、発散状況、濃度等の影
   響を受けるため、これらの要因を考慮して設定する必要があること。なお、吸気抵抗上昇値が高い
   ものほど目詰まりが早く、短時間で息苦しくなる場合があるので、作業時間を考慮すること。
  イ 防じんマスク又はP-PAPRの使用中に息苦しさを感じた場合には、ろ過材を交換すること。オイル
   ミストを捕集した場合は、固体粒子の場合とは異なり、ほとんど吸気抵抗上昇がない。ろ過材の種
   類によっては、多量のオイルミストを捕集すると、粒子捕集効率が低下するものもあるので、製造
   者の情報に基づいてろ過材の交換時期を設定すること。
  ウ 砒(ひ)素、クロム等の有害性が高い粉じん等に対して使用したろ過材は、1回使用するごとに廃
   棄すること。また、石綿、インジウム等を取り扱う作業で使用したろ過材は、そのまま作業場から
   持ち出すことが禁止されているので、1回使用するごとに廃棄すること。
  エ 使い捨て式防じんマスクにあっては、当該マスクに表示されている使用限度時間に達する前であ
   っても、息苦しさを感じる場合、又は著しい型くずれを生じた場合には、これを廃棄し、新しいも
   のと交換すること。
 (2) 粉じん則第27条では、ずい道工事における呼吸用保護具の使用が義務付けられている作業が決めら
  れており、P-PAPRの使用が想定される場合もある。しかし、「雷管取扱作業」を含む坑内作業でのP-
  PAPRの使用は、漏電等による爆発の危険がある。このような場合は爆発を防止するために防じんマス
  クを使用する必要があるが、面体形のP-PAPRは電動ファンが停止しても防じんマスクと同等以上の防
  じん機能を有することから、「雷管取扱作業」を開始する前に安全な場所で電池を取り外すことで、
  使用しても差し支えないこと(平成26年11月28日付け基発1128第12号「電動ファン付き呼吸用保護具
  の規格の適用等について」)とされていること。	
	
第3 防毒マスク及びG-PAPRの選択及び使用に当たっての留意事項
1 防毒マスク及びG-PAPRの選択及び使用
 (1) 防毒マスクは、検定則第14条の規定に基づき、吸収缶(ハロゲンガス用、有機ガス用、一酸化炭素
  用、アンモニア用及び亜硫酸ガス用のものに限る。)及び面体ごとに付されている型式検定合格標章
  により、型式検定合格品であることを確認すること。この場合、吸収缶と面体に付される型式検定合
  格標章は、型式検定合格番号が同一となる組合せが適切な組合せであり、当該組合せで使用して初め
  て型式検定に合格した防毒マスクとして有効に機能するものであること。ただし、吸収缶については、
  単独で型式検定を受けることが認められているため、型式検定合格番号が異なっている場合があるた
  め、製品に添付されている取扱説明書により、使用できる組合せであることを確認すること。
   なお、ハロゲンガス、有機ガス、一酸化炭素、アンモニア及び亜硫酸ガス以外の有毒ガス等に対し
  ては、当該有毒ガス等に対して有効な吸収缶を使用すること。なお、これらの吸収缶を使用する際は、
  日本産業規格 T 8152「防毒マスク」に基づいた吸収缶を使用すること又は防毒マスクの製造者、販
  売業者又は輸入業者(以下「製造者等」という。)に問い合わせること等により、適切な吸収缶を選択
  する必要があること。
 (2) G-PAPRは、令和5年厚生労働省令第29号による改正後の検定則第14条の規定に基づき、電動ファン、
  吸収缶(ハロゲンガス用、有機ガス用、アンモニア用及び亜硫酸ガス用のものに限る。)及び面体ごと
  に付されている型式検定合格標章により、型式検定合格品であることを確認すること。この場合、電
  動ファン、吸収缶及び面体に付される型式検定合格標章は、型式検定合格番号が同一となる組合せが
  適切な組合せであり、当該組合せで使用して初めて型式検定に合格したG-PAPRとして有効に機能する
  ものであること。
   なお、ハロゲンガス、有機ガス、アンモニア及び亜硫酸ガス以外の有毒ガス等に対しては、当該有
  毒ガス等に対して有効な吸収缶を使用すること。なお、これらの吸収缶を使用する際は、日本産業規
  格 T 8154「有毒ガス用電動ファン付き呼吸用保護具」に基づいた吸収缶を使用する又はG-PAPRの製
  造者等に問い合わせるなどにより、適切な吸収缶を選択する必要があること。
 (3) 有機則第33条四アルキル鉛則第2条特化則第38条の13第1項のほか労働安全衛生法令に定める呼
  吸用保護具のうちG-PAPRについては、粉じん又は有毒ガス等の種類及び作業内容に応じ、改正規格第
  2条第1項表中の面体形又はルーズフィット形を使用すること。
 (4) 防毒マスク及びG-PAPRを選択する際は、次の事項について留意の上、防毒マスクの性能が記載され
  ている取扱説明書等を参考に、それぞれの作業に適した防毒マスク及びG-PAPRを選択すること。
  ア 作業環境中の有害物質(防毒マスクの規格(平成2年労働省告示第68号)第1条の表下欄及び改正規
   格第1条の表下欄に掲げる有害物質をいう。)の種類、濃度及び粉じん等の有無に応じて、面体及び
   吸収缶の種類を選ぶこと。
  イ 作業内容、作業強度等を考慮し、防毒マスクの重量、吸気抵抗、排気抵抗等が当該作業に適した
   ものを選ぶこと。
  ウ 防じんマスクの使用が義務付けられている業務であっても、近くで有毒ガス等の発生する作業等
   の影響によって、有毒ガス等が混在する場合には、改めて作業環境の評価を行い、有効な防じん機
   能を有する防毒マスク、防じん機能を有するG-PAPR又は給気式呼吸用保護具を使用すること。
  エ 吹付け塗装作業等のように、有機溶剤の蒸気と塗料の粒子等の粉じんとが混在している場合につ
   いては、有効な防じん機能を有する防毒マスク、防じん機能を有するG-PAPR又は給気式呼吸用保護
   具を使用すること。
  オ 有毒ガス等に対して有効な防護性能を有するものの範囲で、作業内容について、呼吸用インタフ
   ェース(全面形面体、半面形面体、フード又はフェイスシールド)について適するものを選択するこ
   と。
 (5) 防毒マスク及びG-PAPRの吸収缶等の選択に当たっては、次に掲げる事項に留意すること。
  ア 要求防護係数より大きい指定防護係数を有する防毒マスクがない場合は、必要な指定防護係数を
   有するG-PAPR又は給気式呼吸用保護具を選択すること。
    また、対応する吸収缶の種類がない場合は、第1の4(1)の要求防護係数より高い指定防護係数を
   有する給気式呼吸用保護具を選択すること。
  イ 防毒マスクの規格第2条及び改正規格第2条で規定する使用の範囲内で選択すること。ただし、こ
   の濃度は、吸収缶の性能に基づくものであるので、防毒マスク及びG-PAPRとして有効に使用できる
   濃度は、これより低くなることがあること。
  ウ 有毒ガス等と粉じん等が混在する場合は、第2に記載した防じんマスク及びP-PAPRの種類の選択
   と同様の手順で、有毒ガス等及び粉じん等に適した面体の種類及びろ過材の種類を選択すること。
  エ 作業環境中の有毒ガス等の濃度に対して除毒能力に十分な余裕のあるものであること。なお、除
   毒能力の高低の判断方法としては、防毒マスク、G-PAPR、防毒マスクの吸収缶及びG-PAPRの吸収
   缶に添付されている破過曲線図から、一定のガス濃度に対する破過時間(吸収缶が除毒能力を喪失
   するまでの時間。以下同じ。)の長短を比較する方法があること。
    例えば、次の図に示す吸収缶A及び吸収缶Bの破過曲線図では、ガス濃度0.04%の場合を比べると、
   破過時間は吸収缶Aが200分、吸収缶Bが300分となり、吸収缶Aに比べて吸収缶Bの除毒能力が高いこ
   とがわかること。
グラフ図
 
  オ 有機ガス用防毒マスク及び有機ガス用G-PAPRの吸収缶は、有機ガスの種類により防毒マスクの規
   格第7条及び改正規格第7条に規定される除毒能力試験の試験用ガス(シクロヘキサン)と異なる破過
   時間を示すので、対象物質の破過時間について製造者に問い合わせること。
  カ メタノール、ジクロロメタン、二硫化炭素、アセトン等に対する破過時間は、防毒マスクの規格
   第7条及び改正規格第7条に規定される除毒能力試験の試験用ガスによる破過時間と比べて著しく短
   くなるので注意すること。この場合、使用時間の管理を徹底するか、対象物質に適した専用吸収缶
   について製造者に問い合わせること。
 (6) 有毒ガス等が粉じん等と混在している作業環境中では、粉じん等を捕集する防じん機能を有する防
  毒マスク又は防じん機能を有するG-PAPRを選択すること。その際、次の事項について留意すること。
  ア 防じん機能を有する防毒マスク及びG-PAPRの吸収缶は、作業環境中の粉じん等の種類、発散状況、
   作業時のばく露の危険性の程度等を考慮した上で、適切な区分のものを選ぶこと。なお、作業環境
   中に粉じん等に混じってオイルミスト等が存在する場合にあっては、試験粒子にフタル酸ジオクチ
   ルを用いた粒子捕集効率試験に合格した防じん機能を有する防毒マスク(L3、L2、L1)又は防じん機
   能を有するG-PAPR(PL3、PL2、PL1)を選ぶこと。また、粒子捕集効率が高いほど、粉じん等をよく
   捕集できること。
  イ 吸収缶の破過時間に加え、捕集する作業環境中の粉じん等の種類、粒径、発散状況及び濃度が使
   用限度時間に影響するので、これらの要因を考慮して選択すること。なお、防じん機能を有する防
   毒マスク及び防じん機能を有するG-PAPRの吸収缶の取扱説明書には、吸気抵抗上昇値が記載されて
   いるが、これが高いものほど目詰まりが早く、より短時間で息苦しくなることから、使用限度時間
   は短くなること。
  ウ 防じん機能を有する防毒マスク及び防じん機能を有するG-PAPRの吸収缶のろ過材は、一般に粉じ
   ん等を捕集するに従って吸気抵抗が高くなるが、防毒マスクのS3、S2又はS1のろ過材(G-PAPRの場
   合はPL3、PL2、PL1のろ過材)では、オイルミスト等が堆積した場合に吸気抵抗が変化せずに急激に
   粒子捕集効率が低下するものがあり、また、防毒マスクのL3、L2又はL1のろ過材(G-PAPRの場合は
   PL3、PL2、PL1のろ過材)では、多量のオイルミスト等の堆積により粒子捕集効率が低下するものが
   あるので、吸気抵抗の上昇のみを使用限度の判断基準にしないこと。
 (7) 2種類以上の有毒ガス等が混在する作業環境中で防毒マスク又はG-PAPRを選択及び使用する場合に
  は、次の事項について留意すること。
   @作業環境中に混在する2種類以上の有毒ガス等についてそれぞれ合格した吸収缶を選定すること。
   Aこの場合の吸収缶の破過時間は、当該吸収缶の製造者等に問い合わせること。

2 防毒マスク及びG-PAPR の吸収缶
 (1) 防毒マスク又はG-PAPRの吸収缶の使用時間については、次の事項に留意すること。
  ア 防毒マスク又はG-PAPRの使用時間について、当該防毒マスク又はG-PAPRの取扱説明書等及び破
   過曲線図、製造者等への照会結果等に基づいて、作業場所における空気中に存在する有毒ガス等の
   濃度並びに作業場所における温度及び湿度に対して余裕のある使用限度時間をあらかじめ設定し、
   その設定時間を限度に防毒マスク又はG-PAPR を使用すること。
    使用する環境の温度又は湿度によっては、吸収缶の破過時間が短くなる場合があること。例えば、
   有機ガス用防毒マスクの吸収缶及び有機ガス用G-PAPRの吸収缶は、使用する環境の温度又は湿度が
   高いほど破過時間が短くなる傾向があり、沸点の低い物質ほど、その傾向が顕著であること。また、
   一酸化炭素用防毒マスクの吸収缶は、使用する環境の湿度が高いほど破過時間が短くなる傾向にあ
   ること。
  イ 防毒マスク、G-PAPR、防毒マスクの吸収缶及びG-PAPRの吸収缶に添付されている使用時間記録
   カード等に、使用した時間を必ず記録し、使用限度時間を超えて使用しないこと。
  ウ 着用者の感覚では、有毒ガス等の危険性を感知できないおそれがあるので、吸収缶の破過を知る
   ために、有毒ガス等の臭いに頼るのは、適切ではないこと。
  エ 防毒マスク又はG-PAPRの使用中に有毒ガス等の臭気等の異常を感知した場合は、速やかに作業を
   中止し避難するとともに、状況を保護具着用管理責任者等に報告すること。
  オ 一度使用した吸収缶は、破過曲線図、使用時間記録カード等により、十分な除毒能力が残存して
   いることを確認できるものについてのみ、再使用しても差し支えないこと。ただし、メタノール、
   二硫化炭素等破過時間が試験用ガスの破過時間よりも著しく短い有毒ガス等に対して使用した吸収
   缶は、吸収缶の吸収剤に吸着された有毒ガス等が時間とともに吸収剤から微量ずつ脱着して面体側
   に漏れ出してくることがあるため、再使用しないこと。	 
	 
第4 呼吸用保護具の保守管理上の留意事項
1 呼吸用保護具の保守管理
 (1) 事業者は、ろ過式呼吸用保護具の保守管理について、取扱説明書に従って適切に行わせるほか、交
  換用の部品(ろ過材、吸収缶、電池等)を常時備え付け、適時交換できるようにすること。
 (2) 事業者は、呼吸用保護具を常に有効かつ清潔に使用するため、使用前に次の点検を行うこと。
  ア 吸気弁、面体、排気弁、しめひも等に破損、亀裂又は著しい変形がないこと。
  イ 吸気弁及び排気弁は、弁及び弁座の組合せによって機能するものであることから、これらに粉じ
   ん等が付着すると機能が低下することに留意すること。なお、排気弁に粉じん等が付着している場
   合には、相当の漏れ込みが考えられるので、弁及び弁座を清掃するか、弁を交換すること。
  ウ 弁は、弁座に適切に固定されていること。また、排気弁については、密閉状態が保たれているこ
   と。
  エ ろ過材及び吸収缶が適切に取り付けられていること。
  オ ろ過材及び吸収缶に水が侵入したり、破損(穴あき等)又は変形がないこと。
  カ ろ過材及び吸収缶から異臭が出ていないこと。
  キ ろ過材が分離できる吸収缶にあっては、ろ過材が適切に取り付けられていること。
  ク 未使用の吸収缶にあっては、製造者が指定する保存期限を超えていないこと。また、包装が破損
   せず気密性が保たれていること。
 (3) ろ過式呼吸用保護具を常に有効かつ清潔に保持するため、使用後は粉じん等及び湿気の少ない場所
  で、次の点検を行うこと。
  ア ろ過式呼吸用保護具の破損、亀裂、変形等の状況を点検し、必要に応じ交換すること。
  イ ろ過式呼吸用保護具及びその部品(吸気弁、面体、排気弁、しめひも等)の表面に付着した粉じん、
   汗、汚れ等を乾燥した布片又は軽く水で湿らせた布片で取り除くこと。なお、著しい汚れがある場
   合の洗浄方法、電気部品を含む箇所の洗浄の可否等については、製造者の取扱説明書に従うこと。
  ウ ろ過材の使用に当たっては、次に掲げる事項に留意すること。
   ①ろ過材に付着した粉じん等を取り除くために、圧搾空気等を吹きかけたり、ろ過材をたたいたり
    する行為は、ろ過材を破損させるほか、粉じん等を再飛散させることとなるので行わないこと。
   ②取扱説明書等に、ろ過材を再使用すること(水洗いして再使用することを含む。)ができる旨が記
    載されている場合は、再使用する前に粒子捕集効率及び吸気抵抗が当該製品の規格値を満たして
    いることを、測定装置を用いて確認すること。
 (4) 吸収缶に充填されている活性炭等は吸湿又は乾燥により能力が低下するものが多いため、使用直前
  まで開封しないこと。また、使用後は上栓及び下栓を閉めて保管すること。栓がないものにあっては、
  密封できる容器又は袋に入れて保管すること。
 (5) 電動ファン付き呼吸用保護具の保守点検に当たっては、次に掲げる事項に留意すること。
  ア 使用前に電動ファンの送風量を確認することが指定されている電動ファン付き呼吸用保護具は、
   製造者が指定する方法によって使用前に送風量を確認すること。
  イ 電池の保守管理について、充電式の電池は、電圧警報装置が警報を発する等、製造者が指定する
   状態になったら、再充電すること。なお、充電式の電池は、繰り返し使用していると使用時間が短
   くなることを踏まえて、電池の管理を行うこと。
 (6) 点検時に次のいずれかに該当する場合には、ろ過式呼吸用保護具の部品を交換し、又はろ過式呼吸
  用保護具を廃棄すること。
  ア ろ過材については、破損した場合、穴が開いた場合、著しい変形を生じた場合又はあらかじめ設
   定した使用限度時間に達した場合。
  イ 吸収缶については、破損した場合、著しい変形が生じた場合又はあらかじめ設定した使用限度時
   間に達した場合。
  ウ 呼吸用インタフェース、吸気弁、排気弁等については、破損、亀裂若しくは著しい変形を生じた
   場合又は粘着性が認められた場合。
  エ しめひもについては、破損した場合又は弾性が失われ、伸縮不良の状態が認められた場合。
  オ 電動ファン(又は吸気補助具)本体及びその部品(連結管等)については、破損、亀裂又は著しい変
   形を生じた場合。
  カ 充電式の電池については、損傷を負った場合若しくは充電後においても極端に使用時間が短くな
   った場合又は充電ができなくなった場合。
 (7) 点検後、直射日光の当たらない、湿気の少ない清潔な場所に専用の保管場所を設け、管理状況が容
  易に確認できるように保管すること。保管の際、呼吸用インタフェース、連結管、しめひも等は、積
  み重ね、折り曲げ等によって、亀裂、変形等の異常を生じないようにすること。
 (8) 使用済みのろ過材、吸収缶及び使い捨て式防じんマスクは、付着した粉じんや有毒ガス等が再飛散
  しないように容器又は袋に詰めた状態で廃棄すること。	 
	 
第5 製造者等が留意する事項
    ろ過式呼吸用保護具の製造者等は、次の事項を実施するよう努めること。
   ①ろ過式呼吸用保護具の販売に際し、事業者等に対し、当該呼吸用保護具の選択、使用等に関する
    情報の提供及びその具体的な指導をすること。
   ②ろ過式呼吸用保護具の選択、使用等について、不適切な状態を把握した場合には、これを是正す
    るように、事業者等に対し指導すること。
   ③ろ過式呼吸用保護具で各々の規格に適合していないものが認められた場合には、使用する労働者
    の健康障害防止の観点から、原因究明や再発防止対策と並行して、自主回収やホームページ掲載
    による周知など必要な対応を行うこと。	
	 
	 
	 
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