電離放射線障害防止規則 第四章 汚染の防止(第二十二条−第四十一条の二)

電離放射線障害防止規則 目次

(放射性物質取扱作業室)
第二十二条  事業者は、密封されていない放射性物質を取り扱う作業を行なうときは、専用の作業室を設
  け、その室内で行なわなければならない。ただし、漏水の調査、こん虫による疫学的調査、原料物質の
  生産工程中における移動状況の調査等に放射性物質を広範囲に分散移動させて使用し、かつ、その使用
  が一時的である場合及び核原料物質(原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第三条第三号に規
  定する核原料物質をいう。以下同じ。)を掘採する場合には、この限りではない。
  第三条第四項及び第十五条第二項の規定は、放射性物質取扱作業室(前項の作業室及び同項本文の作
  業に従事中の者の専用の廊下等をいう。以下同じ。)について準用する。
(
放射性物質取扱作業室の構造等)
第二十三条  事業者は、放射性物質取扱作業室の内部の壁、床その他汚染のおそれがある部分については、
  次に定めるところに適合するものとしなければならない。
  一  気体又は液体が浸透しにくく、かつ、腐食しにくい材料でつくられていること。
  二  表面が平滑に仕上げられていること。
  三  突起、くぼみ及びすきまの少ない構造であること。

(空気中の放射性物質の濃度)
第二十四条  事業者は、核原料物質を坑内において掘採する作業を行うときは、その坑内の週平均濃度の
  三月間における平均を第三条第三項の厚生労働大臣が定める限度以下にしなければならない。

(事業場内の週平均濃度)
第二十五条  事業者は、放射性物質取扱作業室及び核原料物質を掘採する坑内を除く事業場内の週平均濃
  度の三月間における平均を第三条第三項の厚生労働大臣が定める限度の十分の一以下にしなければならな
  い。

(飛来防止設備等)
第二十六条  事業者は、放射性物質を取り扱うことにより、放射性物質の飛沫(まつ)又は粉末が飛来する
  おそれのあるときは、労働者とその放射性物質との間に、その飛沫(まつ)又は粉末が労働者の身体又は
  衣服、履(はき)物、作業衣、保護具等身体に装着している物(以下「装具」という。)に付着しないよ
  うにするため板、幕等の設備を設けなければならない。ただし、その設備を設けることが作業の性質上
  著しく困難な場合において、当該作業に従事する労働者に第三十九条第一項に規定する保護具を使用さ
  せるときは、この限りでない。

(放射性物質取扱用具)
第二十七条  事業者は、放射性物質の取扱いに用いる鉗(かん)子、ピンセツト等の用具にその旨を表示し、
  これらを他の用途に用いてはならない。
  事業者は、前項の用具を使用しないときは、汚染を容易に除去することができる構造及び材料の用具
  掛け、置台等を用いてこれを保管しなければならない。

(放射性物質がこぼれたとき等の措置)
第二十八条  事業者は、粉状又は液状の放射性物質がこぼれる等により汚染が生じたときは、直ちに、そ
  の汚染が拡がらない措置を講じ、かつ、汚染のおそれがある区域を標識によつて明示したうえ、別表第三に
  掲げる限度(その汚染が放射性物質取扱作業室以外の場所で生じたときは、別表に掲げる限度の十分の
  一)以下になるまでその汚染を除去しなければならない。

(放射性物質取扱作業室内の汚染検査等)
第二十九条  事業者は、放射性物質取扱作業室内の天井、床、壁、設備等を一月を超えない期間ごとに検
  査し、これらの物が別表第三に掲げる限度を超えて汚染されていると認められるときは、その限度以下にな
  るまで汚染を除去しなければならない。
  事業者は、前項の物の清掃を行なうときは、じんあいの飛散しない方法で行なわなければならない。

(汚染除去用具等の汚染検査)
第三十条  事業者は、第二十八条若しくは前条第一項の規定による汚染の除去又は同項の物の清掃を行つ
  たときは、その都度、汚染の除去又は清掃に用いた用具を検査し、その用具が別表第三に掲げる限度を超え
  て汚染されていると認められるときは、その限度以下になるまでは、労働者に使用させてはならない。
  事業者は、前項の用具を保管する場所に、その旨を明記した標識を掲げなければならない。
  第二十七条第二項の規定は、第一項の用具について準用する。

(退去者の汚染検査)
第三十一条  事業者は、放射性物質取扱作業室の出口に汚染検査場所を設け、放射性物質取扱作業室にお
  いて作業に従事させた労働者がその室から退去するときは、その身体及び装具の汚染の状態を検査しな
  ければならない。
  事業者は、前項の検査により労働者の身体又は装具が別表第三に掲げる限度の十分の一を超えて汚染され
  ていると認められるときは、前項の汚染検査場所において次の措置を講じなければ、その労働者を放射
  性物質取扱作業室から退去させてはならない。
  一  身体が汚染されているときは、その汚染が別表第三に掲げる限度の十分の一以下になるように洗身等を
    させること。
  二  装具が汚染されているときは、その装具を脱がせ、又は取り外させること。
  労働者は、前項の規定による事業者の指示に従い、洗身等をし、又は装具を脱ぎ、若しくは取りはず
  さなければならない。

(持出し物品の汚染検査)
第三十二条  事業者は、放射性物質取扱作業室から持ち出す物品については、持出しの際に、前条第一項
  の汚染検査場所において、その汚染の状態を検査しなければならない。
  事業者及び労働者は、前項の検査により、当該物品が別表第三に掲げる限度の十分の一を超えて汚染され
  ていると認められるときは、その物品を持ち出してはならない。ただし、第三十七条第一項本文の容器
  を用い、又は同項ただし書の措置を講じて、汚染を除去するための施設、貯蔵施設、廃棄のための施設
  又は他の放射性物質取扱作業室まで運搬するときは、この限りでない。

(貯蔵施設)
第三十三条  事業者は、放射性物質又は別表第三に掲げる限度の十分の一を超えて汚染されていると認められ
  る物(以下「汚染物」という。)を貯蔵するときは、外部と区画された構造であり、かつ、扉、ふた等
  外部に通ずる部分に、かぎその他の閉鎖のための設備又は器具を設けた貯蔵施設において行わなければ
  ならない。
  事業者は、貯蔵施設の外側の見やすい場所に、その旨を明記した標識を掲げなければならない。
  第三条第四項の規定は、第一項の貯蔵施設について準用する。

(排気又は排液の施設)
第三十四条  事業者は、放射性物質取扱作業室からの排気又は排液を導き、ためておき、又は浄化すると
  きは、排気又は排液がもれるおそれのない構造であり、かつ、腐食し、及び排液が浸透しにくい材料を
  用いた施設において行なわなければならない。
  前条第二項の規定は、前項の施設について準用する。

(焼却炉)
第三十五条  事業者は、放射性物質又は汚染物を焼却するときは、気体がもれるおそれがなく、かつ、灰
  が飛散するおそれのない構造の焼却炉において行なわなければならない。
  第三十三条第二項の規定は、前項の焼却炉について準用する。

(保管廃棄施設)
第三十六条  事業者は、放射性物質又は汚染物を保管廃棄するときは、外部と区画された構造であり、か
  つ、とびら、ふた等外部に通ずる部分に、かぎその他の閉鎖のための設備又は器具を設けた保管廃棄施
  設において行なわなければならない。
  第三条第四項及び第三十三条第二項の規定は、前項の保管廃棄施設について準用する。

(容器)
第三十七条  事業者は、放射性物質を保管し、若しくは貯蔵し、又は放射性物質若しくは汚染物を運搬し、
  保管廃棄し、若しくは廃棄のために一時ためておくときは、容器を用いなければならない。ただし、容
  器に入れることが著しく困難なものについて、外部放射線をしやへいするため、又は汚染のひろがりを
  防止するための有効な措置を講じたとき、又は放射性物質取扱作業室内において運搬するときは、この
  限りでない。
  事業者は、前項本文の容器については、次の表の上欄に掲げる用途に用いるときは、当該用途に応じ、
  それぞれ同表の下欄に掲げる構造を具備するものを用いなければならない。(表)
  事業者は、第一項本文の容器には、放射性物質又は汚染物を入れるものである旨を表示しなければな
  らない。
  事業者は、放射性物質を保管し、貯蔵し、運搬し、又は廃棄のために一時ためておく容器には、次の
  事項を明記しなければならない。
  一  その放射性物質の種類及び気体、液体又は固体の区別
  二  その放射性物質に含まれる放射性同位元素の種類及び数量

(保護具)
第三十八条  事業者は、第二十八条の規定により明示した区域内の作業又は緊急作業で、第三条第三項の
  厚生労働大臣が定める限度を超えて汚染された空気を吸入するおそれのあるものに労働者を従事させると
  きは、その汚染の程度に応じて防じんマスク、防毒マスク、ホースマスク、酸素呼吸器等の有効な呼吸用
  保護具を備え、これらをその作業に従事する労働者に使用させなければならない。
  労働者は、前項の作業に従事する間、同項の保護具を使用しなければならない。

(保護衣等)
第三十九条  事業者は、別表第三に掲げる限度の十分の一を超えて汚染されるおそれのある作業に労働者を従
  事させるときは、汚染を防止するために有効な保護衣類、手袋又は履物を備え、これらをその作業に従
  事する労働者に使用させなければならない。
  労働者は、前項の作業に従事する間、同項に規定する保護具を使用しなければならない。

(作業衣)
第四十条  事業者は、放射性物質取扱作業室内において労働者を作業に従事させるときは、専用の作業衣
  を備え、これをその作業に従事する労働者に使用させなければならない。

(保護具等の汚染除去)
第四十一条  事業者は、前三条の規定により使用させる保護具又は作業衣が別表第三に掲げる限度(保護具又
  は作業衣の労働者に接触する部分にあつては、その限度の十分の一。以下この条において同じ。)を超
  えて汚染されていると認められるときは、あらかじめ、洗浄等により別表に掲げる限度以下になるまで
  汚染を除去しなければ、労働者に使用させてはならない。

(喫煙等の禁止)
第四十一条の二  事業者は、放射性物質取扱作業室その他の放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取する
  おそれのある作業場で労働者が喫煙し、又は飲食することを禁止し、かつ、その旨を当該作業場の見や
  すい箇所に表示しなければならない。
  労働者は、前項の作業場で喫煙し、又は飲食してはならない。