建築物等から除去した石綿含有廃棄物の包装等の徹底について(令和2年10月28日 基発1028第1号により廃止)

基安化発0609第1号
平成29年6月9日
都道府県労働局労働基準部長 殿
厚生労働省労働基準局
安全衛生部化学物質対策課長

建築物等から除去した石綿含有廃棄物の包装等の徹底について
(令和2年10月28日 基発1028第1号により廃止)

 建築物等に使用された石綿及び0.1%を超えて石綿を含有する製剤その他のもの(石綿障害予防規則(平
成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)第3条第2項に基づきみなしたものを含む。以下
「石綿等」という。)については、除去時のばく露防止はもとより、除去後から廃棄に至るまでの労働者
のばく露防止も重要である。
 厚生労働省委託事業における東日本大震災被災地での石綿気中濃度の測定結果及びその結果に関する専
門家分析では、破れたフレキシブルコンテナバッグ(以下「フレコンバッグ」という。)に保管されていた
ボード板の移し替え作業場所において、一定の濃度の石綿繊維が発散していたことが判明している。熊本
地震被災地での指導・注意喚起も行ってきたが、フレコンバッグから石綿等がこぼれ落ちる等の事例も見
られたところであり、廃棄物処理関係法令とも相まって、石綿則等に基づき、労働者の石綿ばく露防止を
図る必要がある。
 今般、災害被災地か否かにかかわらず、また、あらかじめ災害時の取扱いを明確化するためにも、建築
物等から除去した石綿等の運搬、貯蔵等を行う際の具体的取扱いについて下記の通り示すので、その徹底
に遺漏なきを期されたい。
 併せて、別添のとおり、関係事業者等団体の長宛て周知等を依頼したので了知されたい。
1 建築物等から除去した石綿等については、石綿則第32条第1項及び第2項に基づき、その後の運搬、貯
 蔵等の際に、石綿粉じんが発散するおそれがないよう、確実な包装等を行い、個々の包装等の見やすい
 箇所に石綿等が入っていること及びその取扱い上の注意事項を表示しなければならないこと。

2 石綿則第32条第1項の「確実な包装」については、フレコンバッグやビニル袋等に石綿建材を単に入
 れるだけでなく、石綿等が包装からあふれ出たり、又は包装が破れて石綿等がこぼれ落ちることのない
 ようにするとともに、袋を閉じるなど粉じんの発散を防止する形での包装が必要であること。

3 押出し成形セメント板のように包装が困難なものについては、ビニルシートによる覆い、破断面の湿
 潤化等により、石綿粉じんの発散がないようにする必要があること。
  なお、かえって労働者のばく露が大きくならないよう、フレコンバッグで包装するためにいたずらに
 細かく破砕することは避けること。

4 例えばシステム天井の天井板をそのまま外したこと等により石綿粉じんの発散のおそれがないものに
 ついては、平成17年3月18日付け基発第0318003号の「塊状であって、そのままの状態では発じんのおそ
 れがないもの」に該当し、第1項及び第2項は適用されないが、同条第3項及び第4項(保管場所の定め等)
 の適用はあること。
  なお、原形のまま取り外した成形板で発じんのおそれのないものについては、石綿則第32条第1項及
 び第2項に基づく包装は必要ないが、破断せずに運搬できるよう、成形板に適した大きさのフレコンバ
 ッグによる包装を行うこと。

5 上記1から4までの適用は、建築物等解体等作業の現場のみならず、例えば震災被災地における一時仮
 置き場においても同様であること。
  また、災害被災地におけるがれきについても、分別等により石綿を含有すると判明したものは上記と
 同様であること。

6 上記1から5までの措置に必要な安全衛生経費が伝達されるよう、注文者は配慮しなければならないこ
 と。

7 例えば運送事業者による運搬時において確実な包装が行われている等により、石綿粉じんに労働者の
 身体がばく露するおそれのない作業は、石綿等の取扱い作業に該当せず、石綿作業主任者の選任等の措
 置は必要ないこと。






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