1. ホーム >
  2. 法令・通達(検索) >
  3. 法令・通達
別添

 災害事例
  (その1)
 1. 発生日時
  	昭和51年3月15日 午後4時30分
 2.  発生場所
   広島県三原市
 3.  被害状況
   死亡3名休業10名
 4.  発生状況
   水道離島供給事業における中継基地建設工事現場で、送水ポンプ制御室内地下バルブピット(深さ7.
  5m、横5.m、たて2.m)の底に汚水が深さ約1mほど貯っていたので、これを排水することにし、ガソ
  リンエンジン付ポンプ(エンジン・・・・・約2馬力、吸水量2,000〜4,000l/時)をピット内に設置し
  排水を始めた。約3時間後、エンジンを停止するため、労働者1名がピット内に入り倒れた。これを見
  た他の労働者が救助のために入ったが、次々と倒れた。現場付近で作業をしていた労働者が、倒れた
  3名を搬出したが、3名は死亡し、救助にあたった者もCO中毒となった。
 5.  発生原因
   外部との通気が不十分なピット内で換気をせずに内燃機関を使用したことにより、ピット内に一酸
  化炭素が増加し、中毒にかかったと思われる。
  (その2)
 1.  発生日時
   昭和51年3月16日午前11時30分頃
 2.  発生場所
   東京都練馬区
 3.  被害状況
   休業3名
 4.  発生状況
   コンクリート製地下貯水槽(深さ4m、幅9.9m、横4m、土盛り、75cm、径600mmのマンホール設置)
  内壁の傷をモルタルで埋める作業を行おうとしたが槽内が暗かったため1/10馬力の照明用発電機(ガ
  ソリン灯油混合燃料使用)を内部へ持ち込み、槽内を明るくしながら作業を行った。約10分後に労働
  者2名が交代のため槽内に入り、同じ作業を続けていたが倒れた。2名を発見した者が急いでマンホー
  ル内へ入ったが気分が悪くなったため脱出してから救助を求めた。
 5.  発生原因
   外部との通気口が直径600mmのマンホールしかない槽内で換気をせずに発電機を回すため内燃機関
  を使用したことにより一酸化炭素が発生したものと思われる。

 別添2
 (写)基発第291号                         
 昭和51年3月30日
 建設業労働災害防止協会長
 労働省労働基準局

  自然換気不十分な場所における内燃機関の使用に伴う一酸化炭素中毒の防止の徹底について
  去る3月15日及び16日の両日、広島労働基準局及び東京労働基準局の管内において、相ついで、一酸
 化炭素中毒による重大災害が発生し、死亡3名、重傷2名、軽症11名、計16名の労働者が被災したことは
 誠に遺憾である。
  これらの災害は、いずれも貯水設備建設関連の工事現場において、自然換気が不十分な地下のピット
 や貯水槽内に、ガソリンエンジン等の内燃機関を持ち込み、換気をしないで作業をした結果発生したも
 のである。
  この種の工事は、各地で相当数実施されているので、今後の同種災害の再発を防止するため、貴協会
 におかれても、関係事業者団体並びに傘下の各支部及び会員事業場に対し、下記事項の遵守について、
 一層の徹底を図るよう特段に配意されたい。
  記
 1. 坑、井筒、潜函、タンク等の内部その他の場所で、自然換気が不十分な所においては、内燃機関を有
  する機器を使用しないこと。
    (労働安全衛生法第22条第1号
     労働安全衛生規則第578条)
 2. 内燃機関を有する機器を止むを得ず使用しなければならない時は、必ず次の措置を講ずること。
  (1) 換気設備を設け、必要な換気量の確保を図ること。
    (労働安全衛生法第22条
     労働安全衛生規則第578条ただし書き)
  (2) 一酸化炭素測定器等必要な作業環境測定機器を備え付け、内燃機関を使用し、若しくは使用して
   いた坑等の内部で労働者を作業させようとするとき、又は作業中適宜に測定を行い、その結果を記
   録し、保存すること。
    (労働安全衛生法第65条
     労働安全衛生規則第603条)
  (3) 呼吸用保護具(防毒マスク、又は空気呼吸器等)を現場に必要数備え付け、緊急の際その着用の励
   行を図ること。また、呼吸用保護具の適正な使用について、日常から十分な訓練を実施すること。
    (労働安全衛生法第22条
     労働安全衛生規則第593条第596条
     酸素欠乏症防止規則第16条)
   (4) 緊急体制の確立を図ること。
  
  別添3
  災害事例
 1. 発生日時
   昭和51年3月22日午後1時10分
 2. 発生場所
   愛媛県川之江市
 3. 被害状況
   死亡3名
   休業5名
   不休業1名
 4. 発生状況
   古紙再生工場において、古紙を種々の薬剤とともに混合し、懸濁状態とした原液を貯蔵しておく原
  液貯槽(深さ3m、幅3m、奥行き5mのダ円型、コンクリート製)内に入っていた原液を底部から30cm残
  して、ぬき取り、12日間、密閉したまま放置していた。災害発生当日、槽内の清掃に入った労働者2
  名が倒れ、更に5名が救助のため入り、同様に倒れた。そこで、他の2名がホースマスクをつけて、槽
  内の7名を救出した。
 5. 発生原因
   槽内にあった原料が発酵し、酸素が消費され二酸化炭素が発生し、酸欠状態が生じたものである。