作業環境測定基準の一部を改正する告示等の適用等について

基発0207第3号
平成24年2月7日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長

作業環境測定基準の一部を改正する告示等の適用等について

 平成22年度管理濃度等検討会報告書(平成23年6月)において、従来から作業環境測定を実施することと
なっている物質のうち、ベンゾトリクロリド等7物質の管理濃度等について、最新の知見により改正する
ことが適当とされた。これを踏まえ、作業環境測定基準の一部を改正する件(平成24年厚生労働省告示第
42号)作業環境評価基準の一部を改正する件(平成24年厚生労働省告示第43号)特定化学物質障害予防
規則の規定に基づく厚生労働大臣が定める性能の一部を改正する件(平成24年厚生労働省告示第45号)及び
特定化学物質障害予防規則第8条第1項の厚生労働大臣が定める要件の一部を改正する件(平成24年厚生労
働省告示第44号)がいずれも平成24年2月7日に公布された。
 また、ベンゾトリクロリドの管理濃度を新たに設定することに伴う所要の改正を行う特定化学物質障害
予防規則の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第18号)も同日公布され、これらは4月1日から適用
又は施行されることとされたところである。
 ついては、上記省令及び告示の内容は下記のとおりであるので、関係者への周知徹底を図るとともに、
その運用に遺漏なきを期されたい。
 併せて、別添により関係事業者団体等の長に対して会員事業者への周知を要請したので了知されたい。
1 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第36条の2関係
  「ベンゾトリクロリド」について、従来から、作業環境測定を行った結果については記録し保存しなけ
 ればならないが(特定化学物質障害予防規則第36条第2項)、今般、3の(1)により管理濃度を新たに設定す
 ることから、作業環境測定の結果を評価しなければならないこととしたこと。そのため、測定した結果と
 併せて、評価した結果を記録することとしたこと。
 
2 作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)別表第1関係
  「ベンゾトリクロリド」の試料採取方法について、従来は直接捕集方法のみであったが、固体捕集方法
 を追加したこと。
  なお、固体捕集方法によるより高い精度で測定できる具体的な方法としては、加熱脱着捕集管にて捕集
 後、加熱脱着により分離したものを試料として、ガスクロマトグラフ分析方法(GC‐FID法)により分析す
 るものがあること。

3 作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)別表関係
 (1)「ベンゾトリクロリド」について、ACGIH(米国産業衛生専門家会議)は、ばく露限界値として天井値
  で0.1ppmを勧告していることから、管理濃度の値としては、測定の定量下限をも考慮して、0.05ppmと
  新たに設定したこと。このようなことから、可能であれば、0.05ppmよりも可能な限り低く抑えること
  が望ましい。
 (2)「エチレンイミン」等6物質については、管理濃度の値を小さくしたこと。
   なお、「硫化水素」の管理濃度は、従来5ppmであったものを、1ppmに改正したが、測定方法は、従来
  から検知管方式による測定機器又はこれと同等以上の性能を有する測定機器を用いる方法によることが
  できるとしており(作業環境測定基準第10条第2項)、管理濃度の値を小さくした後であっても、測定値
  に影響を及ぼすおそれのある物質がない時は、検知管方式による測定機器と同等以上の性能を有する測
  定機器(例えばガスセンサー)を使用することが可能であること。

4 特定化学物質障害予防規則の規定に基づく厚生労働大臣が定める性能(昭和50年労働省告示第75号)第1
 号の表関係
  「ベンゾトリクロリド」、「エチレンイミン」又は「硫化水素」が発散する作業場に設ける局所排気
 装置の性能要件を、3の改正に伴い改正したこと。

5 特定化学物質障害予防規則第8条第1項の厚生労働大臣が定める要件(平成15年厚生労働省告示第378号)
 関係
  ベンゾトリクロリドが発散する作業場に設ける局所排気装置の稼働要件を定めたこと。

6 屋外作業場等における作業環境管理に関するガイドライン関係
  平成17年3月31日付け基発第0331017号「屋外作業場等における作業環境管理に関するガイドラインに
 ついて」の6(2)イ(イ)中、「令別表第3第1号6」の下に「若しくは7」を加え、別表第1中、以下の「物の
 種類」の下欄「管理濃度等」を次のように改正する。
物の種類 管理濃度等
1〜6(略)
7 エチレンイミン 0.05ppm
8〜40(略)
41 ベンゾトリクロリド 0.05ppm
42〜47(略)
48 硫化水素 1ppm
49〜58(略)
59 エチレングリコールモノメチルエーテル(別名メチルセロソルブ) 0.1ppm
60〜66(略)
67 酢酸イソペンチル(別名酢酸イソアミル) 50ppm
68〜70(略)
71 酢酸ノルマル-ペンチル(別名酢酸ノルマル-アミル) 50ppm
72〜92(略)
93 メチルイソブチルケトン 20ppm
94〜114(略)
                     
このページのトップへ戻ります