高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令

 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第二十七条第一項第六十五条の四第百三条第一項及
び第百十三条の規定に基づき、高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令を次のように定める。

   高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令

 高気圧作業安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第四十号)の一部を次のように改正する。
 目次中「第一条」の下に「・第一条の二」を加え、「第十三条」を「第十二条の二」に改める。
 第一条第四号中「気閘(こう)室」を「気こう室」に改め、同号を同条第五号とし、同条第一号から第三
号までを一号ずつ繰り下げ、同条に第一号として次の一号を加える。
 一 高気圧障害 高気圧による減圧症、酸素、窒素又は炭酸ガスによる中毒その他の高気圧による健康
  障害をいう。
 第一条に次の一号を加える。
 六 不活性ガス 窒素及びヘリウムの気体をいう。
 第一章中第一条を第一条の二とし、同条の前に次の一条を加える。

  (事業者の責務)
第一条 事業者は、労働者の危険又は高気圧障害その他の健康障害を防止するため、作業方法の確立、作
 業環境の整備その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
 第三条(見出しを含む。)及び第四条から第六条までの規定中「気閘(こう)室」を「気こう室」に改める。
 第七条第三項及び第四項中「気閘(こう)室」を「気こう室」に改め、同条に次の一項を加える。
6 事業者は、高圧室内業務(圧力〇・一メガパスカル以上の気圧下における高圧室内業務に限る。第十
 二条の二、第二十条の二及び第四十二条第一項において同じ。)を行うときは、気こう室に自記記録圧
 力計を設けなければならない。
 第七条の二中「気閘(こう)室」を「気こう室」に改める。
 第七条の三中「気閘(こう)室」を「気こう室」に、「は握」を「把握」に改める。
 第八条の見出しを「(空気槽)」に改め、同条第二項中「予備空気槽(そう)は」を「予備空気槽は」に改
め、同項第一号中「予備空気槽(そう)」を「予備空気槽」に改め、同項第二号を次のように改める。
 二 予備空気槽の内容積は、厚生労働大臣が定める方法により計算した値以上であること。
 第十条第二項第二号中「炭酸ガス及び」を「酸素、炭酸ガス及び」に改め、同項第五号及び第六号中
「気閘(こう)室」を「気こう室」に改める。
 第十一条中「気閘(こう)室」を「気こう室」に改める。
 第三章第二節中第十三条の前に次の一条を加える。

  (作業計画)
第十二条の二 事業者は、高圧室内業務を行うときは、高気圧障害を防止するため、あらかじめ、高圧
 室内作業に関する計画(以下この条において「作業計画」という。)を定め、かつ、当該作業計画により
 作業を行わなければならない。
2 作業計画は、次の事項が示されているものでなければならない。
 一 作業室又は気こう室へ送気する気体の成分組成
 二 加圧を開始する時から減圧を開始する時までの時間
 三 当該高圧室内業務における最高の圧力
 四 加圧及び減圧の速度
 五 減圧を停止する圧力及び当該圧力下において減圧を停止する時間
3 事業者は、作業計画を定めたときは、前項各号に掲げる事項について関係労働者に周知させなければ
 ならない。
 第十三条中「気閘(こう)室」を「気こう室」に改める。
 第十五条及び第十六条を次のように改める。

  (ガス分圧の制限)
第十五条 事業者は、酸素、窒素又は炭酸ガスによる高圧室内作業者の健康障害を防止するため、作業
 室及び気こう室における次の各号に掲げる気体の分圧がそれぞれ当該各号に定める分圧の範囲に収まる
 ように、作業室又は気こう室への送気、換気その他の必要な措置を講じなければならない。
 一 酸素 十八キロパスカル以上百六十キロパスカル以下(ただし、気こう室において高圧室内作業者
  に減圧を行う場合にあつては、十八キロパスカル以上二百二十キロパスカル以下とする。)
 二 窒素 四百キロパスカル以下
 三 炭酸ガス 〇・五キロパスカル以下

  (酸素ばく露量の制限)
第十六条 事業者は、酸素による高圧室内作業者の健康障害を防止するため、高圧室内作業者について、
 厚生労働大臣が定める方法により求めた酸素ばく露量が、厚生労働大臣が定める値を超えないように、
 作業室又は気こう室への送気その他の必要な措置を講じなければならない。
 第十八条第一項第二号を次のように改める。
 二 厚生労働大臣が定める区間ごとに、厚生労働大臣が定めるところにより区分された人体の組織(以
  下この号において「半飽和組織」という。)の全てについて次のイに掲げる分圧がロに掲げる分圧を
  超えないように、減圧を停止する圧力及び当該圧力下において減圧を停止する時間を定め、当該時間
  以上減圧を停止すること。
  イ 厚生労働大臣が定める方法により求めた当該半飽和組織内に存在する不活性ガスの分圧
  ロ 厚生労働大臣が定める方法により求めた当該半飽和組織が許容することができる最大の不活性ガ
   スの分圧
 第十八条第一項第三号を削り、同条第二項を次のように改める。
2 事業者は、減圧を終了した者に対して、当該減圧を終了した時から十四時間は、重激な業務に従事さ
 せてはならない。
 第十九条第二項中「すみやかに」を「速やかに」に、「気閘(こう)室」を「気こう室」に改める。
 第二十条第一項中「気閘(こう)室」を「気こう室」に、同項第三号中「椅(い)子」を「椅子」に改め、
同条第二項中「気閘(こう)室」を「気こう室」に改める。
 第二十条の二の見出し中「減圧状況」を「作業の状況」に改め、同条中「圧力〇・一メガパスカル以上
の気圧下における高圧室内業務を行うときは、気こう室に自記記録圧力計を備え、当該気こう室において
高圧室内作業者に減圧を行う都度、当該減圧の状況」を「高圧室内業務を行う都度、第十二条の二第二項
各号に掲げる事項」に改める。
 第二十一条第一項及び第二十二条第一項中「気閘(こう)室」を「気こう室」に改める。
 第二十六条中「懐中電灯」の下に「、酸素」を加える。
 第二十七条を次のように改める。

  (作業計画等の準用)
第二十七条 第十二条の二及び第二十条の二の規定は潜水業務(水深十メートル以上の場所における潜水
 業務に限る。第四十二条第一項において同じ。)について、第十五条、第十六条及び第十八条の規定は
 潜水作業者について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字
 句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。
第十二条の二第一項 高圧室内作業 潜水作業
第十二条の二第二項第一号 作業室又は気こう室へ送気する 潜水作業者に送気し、又はボンベに充填する
第十二条の二第二項第二号 加圧を開始する 潜降を開始させる
減圧を開始する 浮上を開始させる
第十二条の二第二項第三号 圧力  水深の圧力
第十二条の二第二項第四号 加圧及び減圧 潜降及び浮上
第十二条の二第二項第五号 減圧を停止する圧力 浮上を停止させる水深の圧力
減圧を停止する時間 浮上を停止させる時間
第十五条 作業室及び気こう室における 当該潜水作業者が吸入する時点の
作業室又は気こう室への送気、換気 潜水作業者への送気、ボンベからの給気
第十五条第一号 気こう室において高圧室内作業者に減圧を行う 潜水作業者が溺水しないよう必要な措置を講じて浮上を行わせる
第十六条 業室又は気こう室への送気 潜水作業者への送気、ボンベからの給気
第十八条の見出し 減圧 浮上
第十八条第一項 気こう室において高圧室内作業者に減圧を行う 潜水作業者に浮上を行わせる
第十八条第一項第一号 減圧 浮上
〇・〇八メガパスカル 十メートル
第十八条第一項第二号 減圧を停止する圧力 浮上を停止させる水深の圧力
減圧を停止する時間 浮上を停止させる時間
減圧を停止すること 浮上を停止させること
第十八条第二項 減圧 浮上
第二十条の二 第十二条の二第二項各号 第二十七条において読み替えて準用する第十二条の二第二項各号
当該高圧室内作業者 当該潜水作業者
 第三十一条を次のように改める。
第三十一条 削除
 第三十二条第一項中「前条」を「第二十七条において読み替えて準用する第十八条第一項第一号」に、
「同条」を「同項第二号」に改める。
 第三十三条第二項中「別表第二の「浮上」欄に掲げる水深」を「三メートル」に改める。
 第三十五条を次のように改める。
第三十五条 削除
 第四十二条第一項中「圧力〇・一メガパスカル以上の気圧下における」及び「水深十メートル以上の場
所における」を削る。
 第四十四条第二項中「つど」を「都度」に、「記録しておかなければならない」を「記録した書類を作
成し、これを五年間保存しなければならない」に改める。
 別表第一から別表第三までを削る。

   附 則
  (施行期日)
1 この省令は、平成二十七年四月一日から施行する。
  (罰則に関する経過措置)
2 この省令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
  (労働安全衛生規則の一部改正)
3 労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)の一部を次のように改正する。
  第三十六条第二十号の二及び第二十二号中「気閘(こう)室」を「気こう室」に改める。
  第六百四十条第一項第二号中「第一条第三号」を「第一条の二第四号」に、「同条第四号の気閘(こ
 う)室」を「同条第五号の気こう室」に改める。




このページのトップへ戻ります