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労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行等(化学物質等に係る表示
及び文書交付制度の改善関係)に係る留意事項について

改正履歴
                                     基安化発第1020001号
                                       平成18年10月20日
                                   

都道府県労働局労働基準部長 殿
                                厚生労働省労働基準局安全衛生部
                                        化学物質対策課長


       労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行等(化学物質等に
       係る表示及び文書交付制度の改善関係)に係る留意事項について


 化学物質(純物質)及び化学物質を含有する製剤その他の物(混合物)(以下「化学物質等」という。)に係
る表示及び文書交付制度の改善については、平成18年10月20日付け基発第1020003号「労働安全衛生法等の
一部を改正する法律等の施行について(化学物質等に係る表示及び文書交付制度の改善関係)」をもって通
達されたところであるが、その運用に当たっての留意事項は、下記のとおりであるので、円滑な施行に遺
漏なきを期されたい。


                       記


I 化学物質等に係る表示制度の改善関係
 第1 容器・包装等に表示しなければならない事項
  1 名称(労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第57条第1項第1号イ関係)
  (1) 化学物質等の名称を記載すること。ただし、製品名により含有する化学物質等が特定できる場合
    においては、当該製品名を記載することで足りること。
  (2) 化学物質等について、表示される名称と文書交付により通知される名称を一致させること。

  2 成分(法第57条第1項第1号ロ関係)
  (1) 法及び労働安全衛生法施行令(以下「政令」という。)により表示対象とされている物質(以下
   「表示対象物質」という。)の含有量が裾切値(当該物質の含有量がその値未満の場合、規制の対象
    としないこととする場合の、当該値)以上である場合、当該表示対象物質の名称を列記すること。
  (2) (1)以外の化学物質の成分の名称についても記載することが望ましいこと。

  3 人体に及ぼす作用(法第57条第1項第1号ハ関係)
  (1) 「人体に及ぼす作用」は、化学物質等の有害性を示すこと。
  (2) 化学品の分類および表示に関する世界調和システム(以下「GHS」という。)に従った分類に基づ
    き決定された危険有害性クラス(可燃性固体等の物理化学的危険性、発がん性、急性毒性等の健康
    有害性及び水生環境有害性等の環境有害性の種類)及び危険有害性区分(危険有害性の強度)に対し
    てGHS附属書3又は日本工業規格Z7251(GHSに基づく化学物質等の表示)(以下「JISZ7251」という。)
    附属書Aにより割り当てられた「危険有害性情報」の欄に示されている文言を記載すること。
     なお、GHSに従った分類については、日本工業規格Z7252(GHSに基づく化学物質等の分類法)(以下
   「JISZ7252」という。)及び事業者向けGHS分類ガイダンス(平成21年度改訂版:平成22年3月)(以下
   「事業者向け分類ガイダンス」という。)を参考にすること。また、GHSに従った分類結果について
    は、独立行政法人製品評価技術基盤機構が公開している「GHS分類結果データベース」、厚生労働
    省が作成し公表している「GHSモデルラベル表示」及び「GHSモデルMSDS情報」等を参考にするこ
    と。
  (3) 混合物において、混合物全体として有害性の分類がなされていない場合には、含有する表示対
    象物質の純物質としての有害性を、物質ごとに記載することで差し支えないこと。
  (4) GHSに従い分類した結果、危険有害性クラス及び危険有害性区分が決定されない場合は、記載を
    要しないこと。

  4 貯蔵又は取扱い上の注意(法第57条第1項第1号ニ関係)
     化学物質等のばく露又はその不適切な貯蔵若しくは取扱いから生じる被害を防止するために取る
    べき措置を記載すること。

  5 標章(法第57条第1項第2号関係)
  (1) 混合物において、混合物全体として危険性又は有害性の分類がなされていない場合には、含有す
    る表示対象物質の純物質としての危険性又は有害性を表す標章を、物質ごとに記載することで差し
    支えないこと。
  (2) GHSに従い分類した結果、危険有害性クラス及び危険有害性区分が決定されない場合は、記載を
    要しないこと。

  6 表示をする者の氏名(法人にあつては、その名称)、住所及び電話番号(労働安全衛生規則(以下
   「則」という。)第33条第1号関係)
  (1) 化学物質等を譲渡し又は提供する者の情報を記載すること。
  (2) 緊急連絡電話番号等についても記載することが望ましいこと。

  7 注意喚起語(則第33条第2号関係)
  (1) GHSに従った分類に基づき、決定された危険有害性クラス及び危険有害性区分に対してGHS附属書
    3又はJISZ7251附属書Aに割り当てられた「注意喚起語」の欄に示されている文言を記載すること。
     なお、GHSに従った分類については、JISZ7252及び事業者向け分類ガイダンスを参考にすること。
    また、GHSに従った分類結果については、独立行政法人製品評価技術基盤機構が公開している「GHS
    分類結果データベース」や厚生労働省が作成し公表している「GHSモデルラベル表示」及び「GHSモ
    デルMSDS情報」等を参考にすること。
     ただし、JISZ7252は、GHSに準じているが、物理化学的危険性に関する分類については言及してい
    ないため、特に物理化学的危険性については、GHS及び事業者向け分類ガイダンスを参考にすること。
  (2) 混合物において、混合物全体として危険性又は有害性の分類がなされていない場合には、含有す
    る表示対象物質の純物質としての危険性又は有害性を表す注意喚起語を、物質ごとに記載すること
    で差し支えないこと。
  (3) GHSに基づき分類した結果、危険有害性クラス及び危険有害性区分が決定されない場合、記載を
    要しないこと。

  8 安定性及び反応性(則第33条第3号関係)
  (1) 「安定性及び反応性」は、化学物質等の危険性を示すこと。
  (2) GHSに従った分類に基づき、決定された危険有害性クラス及び危険有害性区分に対してGHS附属書
    3又はJISZ7251附属書Aに割り当てられた「危険有害性情報」の欄に示されている文言を記載するこ
    と。
     なお、「GHSに従った分類結果」については、独立行政法人製品評価技術基盤機構が公開してい
    る「GHS分類結果データベース」、厚生労働省が作成し公表している「GHSモデルラベル表示」及び
    「GHSモデルMSDS情報」等を参考にすること。
     ただし、JISZ7252は、GHSに準じているが、物理化学的危険性に関する分類については言及して
    いないため、特に物理化学的危険性については、GHS及び事業者向け分類ガイダンスを参考にする
    こと。
  (3) 混合物において、混合物全体として危険性の分類がなされていない場合には、含有する全ての表
    示対象物質の純物質としての危険性を、物質ごとに記載することで差し支えないこと。
  (4) GHSに従い分類した結果、危険有害性クラス及び危険有害性区分が決定されない場合、記載を要
    しないこと。

 第2 その他
     JISZ7251に準拠した記載を行えば、労働安全衛生法関係法令において規定する容器・包装等に表
    示しなければならない事項を満たすこと。なお、JISZ7251については日本工業標準調査会ホーム
    ページ(http://www.jisc.go.jp/)において検索及び閲覧が可能であること。

II 化学物質等に係る文書交付制度の改善関係
 第1 文書交付等により通知しなければならない事項
  1 名称(法第57条の2第1項第1号関係)
     化学物質等の名称を記載すること。ただし、製品名により含有する化学物質等が特定できる場合
    においては、当該製品名を記載することで足りること。

  2 成分及びその含有量(法第57条の2第1項第2号関係)
  (1) 法及び政令で通知対象としている物質(以下「通知対象物質」という。)が裾切値以上含有される
    場合、当該通知対象物質の名称を列記するとともに、その含有量についても記載すること。
  (2) ケミカルアブストラクトサービス登録番号(CAS番号)及び別名についても記載することが望まし
    いこと。
  (3) (1)以外の化学物質の成分の名称及びその含有量についても、本項目に記載することが望ましい
    こと。

  3 物理的及び化学的性質(法第57条の2第1項第3号関係)
  (1) 次の項目に係る情報について記載すること。
    ア 化学物質等の外観(物理的状態、形状、色等)
    イ 臭い
    ウ pH
    エ 融点及び凝固点
    オ 沸点、初留点及び沸騰範囲
    カ 引火点
    キ 燃焼又は爆発範囲の上限及び下限
    ク 蒸気圧
    ケ 蒸気密度
    コ 比重(相対密度)
    サ 溶解度
    シ n-オクタノール/水分配係数
    ス 自然発火温度
    セ 分解温度
  (2) 次の項目に係る情報について記載することが望ましいこと。
    ア 臭いのしきい(閾)値
    イ 蒸発速度
    ウ 燃焼性(固体又はガスのみ)
  (3) 放射性等、当該化学物質等の安全な使用に関係するその他のデータを示すこと
    が望ましいこと。
  (4) 測定方法についても記載することが望ましいこと。
  (5) 混合物において、混合物全体として危険性の試験がなされていない場合には、含有する通知対象
    物質の純物質としての情報を、物質ごとに記載することで差し支えないこと。

  4 人体に及ぼす作用(法第57条の2第1項第4号関係)
  (1) 「人体に及ぼす作用」は、化学物質等の有害性を示すこと。
  (2) 取扱者が化学物質等に接触した場合に生じる健康への影響について、簡明かつ包括的な説明を記
    載すること。なお、以下の項目に係る情報を記載すること。
    ア 急性毒性
    イ 皮膚腐食性・刺激性
    ウ 眼に対する重篤な損傷・刺激性
    エ 呼吸器感作性又は皮膚感作性
    オ 生殖細胞変異原性
    カ 発がん性
    キ 生殖毒性
    ク 特定標的臓器毒性-単回ばく露
    ケ 特定標的臓器毒性-反復ばく露
    コ 吸引性呼吸器有害性
  (3) ばく露直後の影響と遅発性の影響とをばく露経路ごとに区別し、毒性の数値的尺度を含めること
    が望ましいこと。
  (4) 混合物において、混合物全体として有害性の試験がなされていない場合には、含有する通知対象
    物質の純物質としての有害性を、物質ごとに記載することで差し支えないこと。
  (5) GHSに従い分類した結果、分類の判断を行うのに十分な情報が得られなかった場合(以下「分類で
    きない」という。)、GHSで規定する危険有害性クラスから外れている物理化学的危険性及び健康有
    害性のため当該クラスでの分類の対象となっていない場合(以下「分類対象外」という。例えば、
      「○○性固体」という危険有害性クラスは、常態が液体や気体のものについては分類の対象となら
    ない。)及び分類を行うのに十分な情報が得られているものの、分類を行った結果、GHSで規定する
    危険有害性クラスにおいて最も低い危険有害性区分とする十分な証拠が認められなかった場合(以
    下「区分外」という。)のいずれかに該当することにより、危険有害性クラス及び危険有害性区分
    が決定されない場合は、GHSでは当該危険有害性クラスの情報は、必ずしも記載は要しないとされ
    ているが、「分類できない」、「分類対象外」、「区分外」の旨を記載することが望ましい。
     また、発がん性の分類にあたっては、発がん性が否定されること、又は発がん性が極めて低いこ
    とが明確な場合を除き、「区分外」の判定は慎重に行うこと。
    疑義があれば、「分類できない」とすること。
     なお、記載にあたっては、事業者向け分類ガイダンスを参考にすること。

  5 貯蔵又は取扱い上の注意(法第57条の2第1項第5号関係)
     次の事項を記載すること。
  (1) 適切な保管条件、避けるべき保管条件等
  (2) 混合接触させてはならない化学物質等(混触禁止物質)との分離を含めた取扱い上の注意
  (3) 管理濃度、許容濃度等
  (4) 密閉装置、局所排気装置等の設備対策
  (5) 保護具の使用
  (6) 廃棄上の注意及び輸送上の注意

  6 流出その他の事故が発生した場合において講ずべき応急の措置(法第57条の2第1項第6号関係)
     次の事項を記載すること。
  (1) 吸入した場合、皮膚に付着した場合、眼に入った場合又は飲み込んだ場合に取るべき措置等
  (2) 火災の際に使用するのに適切な消火剤又は使用してはならない消火剤
  (3) 事故が発生した際の退避措置、立ち入り禁止措置、保護具の使用等
  (4) 漏出した化学物質等に係る回収、中和、封じ込め及び浄化の方法並びに使用する機材

  7 通知を行う者の氏名(法人にあつては、その名称)、住所及び電話番号(則第34条の2の4第1号関係)
  (1) 化学物質等を譲渡し又は提供する者の情報を記載すること。
  (2) 緊急連絡電話番号、ファックス番号及び電子メールアドレスも記載することが望ましいこと。
 
  8 危険性又は有害性の要約(則第34条の2の4第2号関係)
  (1) GHSに従った分類に基づき決定された危険有害性クラス、危険有害性区分、絵表示、注意喚起語、
    危険有害性情報及び注意書きに対してGHS附属書3又はJISZ7251附属書Aにより割り当てられた絵表
    示と文言を記載すること。
     なお、GHSに従った分類については、JISZ7252及び事業者向け分類ガイダンスを参考にすること。
    また、GHSに従った分類結果については、独立行政法人製品評価技術基盤機構が公開している「GHS
    分類結果データベース」、厚生労働省が作成し公表している「GHSモデルラベル表示」及び「GHSモ
    ルMSDS情報」等を参考にすること。
     ただし、JISZ7252は、GHSのうち、物理化学的危険性に関する分類については、GHS及び事業者向
    け分類ガイダンスを参考にすること。
  (2) 混合物において、混合物全体として危険性又は有害性の分類がなされていない場合には、含有す
    る通知対象物質の純物質と有害性クラスしての危険性又は有害性を、物質ごとに記載することで差
    し支えないこと。
  (3) GHSに従い分類した結果、「分類できない」、「分類対象外」及び「区分外」のいずれかに該当
    することにより、危険有害性クラス及び危険有害性区分が決定されない場合は、GHSでは当該危険
    の情報は、必ずしも記載を要しないとされているが、「分類できない」、「分類対象外」、「区分
    外」の旨を記載することが望ましい。
     また、発がん性の分類にあたっては、発がん性が否定されること、又は発がん性が極めて低いこ
    とが明確な場合を除き、「区分外」の判定は慎重に行うこと。
    疑義があれば、「分類できない」とすること。
     なお、記載にあたっては、事業者向け分類ガイダンスを参考にすること。
  (4) 標章は白黒の図で記載しても差し支えないこと。また、標章を構成する画像要素(シンボル)の名
    称(「炎」、「どくろ」等)をもって当該標章に代えても差し支えないこと。
  (5) 粉じん爆発危険性等の危険性又は有害性についても記載することが望ましいこと。

  9 安定性及び反応性(則第34条の2の4第3号関係)
     次の事項を記載すること。
  (1) 避けるべき条件(静電放電、衝撃、振動等)
  (2) 混触危険物質
  (3) 通常発生する一酸化炭素、二酸化炭素及び水以外の予想される危険有害な分解生成物

  10 適用される法令(則第34条の2の4第4号関係)
     化学物質等に適用される法令の名称を記載するとともに、当該法令に基づく規制に関する情報を
    記載すること。

  11 その他参考となる事項(則第34条の2の4第5号関係)
  (1) 化学物質等安全データシート(MSDS)等を作成する際に参考とした出典を記載することが望ましい
    こと。
  (2) 環境影響情報については、本項目に記載することが望ましいこと。

 第2 成分の含有量の表記の方法(則第34条の2の6関係)
     成分として表記すべき化学物質の含有量が10パーセントに満たない場合は、「10パーセント未
    満」と記載すれば足りること。

 第3 その他
  1 日本工業規格Z7250:2010(化学物質等安全データシート(MSDS))(以下「JISZ7250:2010」という。)
   又は日本工業規格Z7250:2005(化学物質等安全データシート(MSDS))(以下「JISZ7250:2005」という。)
   に準拠した記載を行えば、労働安全衛生法関係法令に規定する文書交付等により通知しなければなら
   ない事項を満たすこと。ただし、JISZ7250:2005は平成27年12月31日に失効するので留意すること。
   なお、JISZ7250:2010については日本工業標準調査会のホームページ(http://www.jisc.go.jp/)にお
   いて検索及び閲覧が可能であること。
    おって、平成22年12月31日までの間は日本工業規格Z7250:2000(化学物質等安全データシート(MSD
   S))(以下「JISZ7250:2000」という。)に準拠した記載でも差し支えないこと。なお、JISZ7250:2005
   に「暫定措置として、2010年(平成22年)12月31日までの期間は、JISZ7250:2000で作成してもよい。」
   と記載されていること。

  2 日本工業規格Z7251:2010(GHSに基づく化学物質等の表示)(以下「JISZ7251:2010」という。)又は日
   本工業規格Z7251:2006(GHSに基づく化学物質等の表示)(以下「JISZ7251:2006」という。)に準拠した
   記載を行えば、労働安全衛生法関係法令に規定する表示等により通知しなければならない事項を満た
   すこと。ただし、JISZ7251:2006は平成27年12月31日に失効するので留意すること。なお、JISZ7251:
   2010については日本工業標準調査会のホームページ(http://www.jisc.go.jp/)において検索及び閲覧
   が可能であること。

  3 事業者向け分類ガイダンスは経済産業省のホームページで閲覧が可能であること。

  4 表示及び化学物質等安全データシート(MSDS)の記載にあたっては、邦文で記載するものとする。