労働安全衛生規則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令の施行について

基発0119第2号
令和4年1月19日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長

労働安全衛生規則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令の施行について

 労働安全衛生規則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等にお
ける情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省令第8号。以下「改正
省令」という。)について、令和4年1月19日に公布され、令和6年4月1日から施行することとされたところ
である。その改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、関係者への周知徹底を図るとと
もに、その運用に遺漏なきを期されたい。
1 改正の趣旨
  働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)により新設された労
 働基準法(昭和22年法律第49号。以下「労基法」という。)第141条では、医療提供体制の確保に必要な
 者として厚生労働省令で定める医師に係る時間外労働の上限特例が規定されている。今般、同条による
 読み替え後の労基法第36条第1項の協定に定める事項として、労働基準法施行規則の一部を改正する省
 令(令和4年厚生労働省令第5号)による改正後の労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号。以下
 「新労基則」という。)において、長時間労働が見込まれる医師に対し、当該医師の健康確保措置とし
 て、面接指導を行うこと等が規定され、当該面接指導の要件については、労働基準法施行規則第六十九
 条の三第二項第二号の規定に基づき厚生労働大臣が定める要件(令和4年厚生労働省告示第6号。以下
 「面接指導告示」という。)において定められたところである。
  改正省令は、新労基則に基づく面接指導と、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」
 という。)に基づく面接指導とが整合的に行われるよう、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。
 以下「安衛則」という。)等について、別添のとおり所要の改正を行ったものである。

2 改正省令の内容及び留意事項
 (1) 安衛則の一部改正(改正省令第1条関係)
  ア 面接指導の対象となる医師の要件等(安衛則附則第19条関係)
   ① 新労基則に基づく面接指導と安衛法に基づく面接指導とが整合的に行われるよう、安衛法第66
    条の8第1項の面接指導の対象となる労働者の要件を、当分の間、安衛則第52条の2第1項に定める
    もののほか、新労基則第69条の2に規定する特定医師(以下「特定医師」という。)であって、1月
    について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させる時間(以下「時間外・休日
    労働時間」という。)が100時間以上となることが見込まれる者(以下「面接指導対象医師」とい
    う。)のうち、新労基則第69条の3第2項第2号に規定する管理者(以下「管理者」という。)が同号
    に規定する面接指導(以下「新労基則の面接指導」という。)を行い、かつ、安衛法第66条の8第2
    項ただし書の書面の提出があった者以外の者に見直したものであること。
     なお、特定医師であって、面接指導対象医師に該当しない者のうち、1月における時間外・休
    日労働時間が80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者である場合は、新労基則の面接指
    導の対象とはならないが、安衛法第66条の8に基づく面接指導の対象となることに留意すること。
     また、面接指導対象医師が新労基則の面接指導を受け、安衛法第66条の8第2項ただし書の書面
    を事業者に提出しようとする場合において、管理者が面接指導対象医師本人の同意を得た上で、
    面接指導対象医師に代わり、事業者に対し、安衛法第66条の8第2項ただし書の書面を提出するこ
    ととしても差し支えないものであること。
   ② 面接指導対象医師に該当するかどうかの判断は、毎月1回以上、一定の期日を定めて行わなけ
    ればならないものとしたこと。
   ③ 新労基則の面接指導については、本人の申出の有無にかかわらず、面接指導対象医師に対して
    必ず実施するものであることから、面接指導対象医師について、事業者が管理者に新労基則の面
    接指導を行わせる場合においては、本人の申出を前提とした安衛則第52条の2第3項及び第52条
    の3の規定は、適用しないものとしたこと。
     また、新労基則の面接指導における確認事項については、面接指導告示において定められてい
    ることから、事業者が管理者に新労基則の面接指導を行わせる場合においては、安衛則第52条の
    4の規定は適用しないものとしたこと。
  イ 面接指導対象医師が受けた面接指導の証明(安衛則附則第19条の2関係)
    新労基則の面接指導においては、安衛法第66条の8に基づく面接指導における確認事項に加え、
   睡眠の状況を確認することとなっていることから、新労基則の面接指導と安衛法に基づく面接指導
   が整合的に行われるよう、面接指導対象医師に対する面接指導に係る安衛法第66条の8第2項ただし
   書の書面は、安衛則第52条の5各号に掲げるもののほか、当該面接指導対象医師の睡眠の状況を記
   載したものでなければならないものとしたこと。
  ウ 面接指導対象医師に対する面接指導結果の記録の作成(安衛則附則第19条の3関係)
    新労基則の面接指導と安衛法に基づく面接指導が整合的に行われるよう、面接指導対象医師に対
   する安衛法第66条の8第1項に規定する面接指導(同条第2項ただし書の場合において当該面接指導対
   象医師が受けたものを含む。)の結果の記録は、上記イに規定する事項を記載したものでなければ
   ならないものとしたこと。
 (2) 厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技
  術の利用に関する省令の一部改正(改正省令第2条関係)
   事業者が行う書面の保存及び作成に代えて、電磁的記録による保存及び作成とすることができる対
  象に、(1)のウの記録を追加することとしたことと。
 (3) 施行期日(改正省令附則関係)
   改正省令は、令和6年4月1日から施行することとしたこと。


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