労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令等の施行について

基発0331第6号
令和8年3月31日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長

労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令等の施行について

 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(令和8年政令第90号。以下「改正政令」という。)及び労
働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第68号。以下「改正省令」という。)につい
ては、令和8年3月31日に公布され、公布日から施行(一部令和10年4月1日施行)することとされたところ
である。また、本改正に関連して「労働安全衛生法施行令第十八条第三号及び第十八条の二第三号の規定
に基づき厚生労働大臣の定める基準の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第174号、以下「改正
裾切値告示」という。)「労働安全衛生規則第五百七十七条の二第五項の規定に基づきがん原性がある
物として厚生労働大臣が定めるものの一部を改正する告示の一部を改正する告示」(令和8年厚生労働省告
示第172号、以下「改正令和6年度がん原性告示」という。)及び「労働安全衛生規則第五百七十七条の二
第五項の規定に基づきがん原性がある物として厚生労働大臣が定めるものの一部を改正する告示」(令和
8年厚生労働省告示第173号、以下「令和7年度がん原性告示」という。)が令和8年3月31日に告示され、
令和10年4月1日から適用(改正令和6年度がん原性告示は告示日適用)することとされたところである。
 これらの趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、関係者への周知徹底を図るとともに、そ
の運用に遺漏のなきを期されたい。
第1 改正の要点
1 改正政令関係
 (1) リスクアセスメント対象物の範囲の変更(労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「令」
  という。)第18条第18条の2関係)
   リスクアセスメント対象物を、国が行う化学品の分類の結果、危険性又は有害性があるものと「令
  和6年3月31日までに」区分された物のうち厚生労働省令で定めるものとしていたところを「令和7年
  3月31日までに」と改めたこと。
   
 (2) 施行期日(改正政令附則第1項関係)
   改正政令は、令和10年4月1日から施行すること。

 (3) 経過措置(改正政令附則第2項関係)
   改正政令により新たにリスクアセスメント対象物に追加される物質のうち、令和10年4月1日に施行
  される物質であって施行の日において現に存するものについては令和11年3月31日までの間は、ラベ
  ル表示に係る労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第57条第1項の規定を適用しないとしたこと。

2 改正省令関係
 (1) リスクアセスメント対象物の追加(安衛則別表第2関係)
   改正政令の施行に伴い、リスクアセスメント対象物に追加する36物質について、労働安全衛生規則
  (昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)別表第2に追加したこと。

 (2) がん原性物質に関する記録等の保存(安衛則附則関係)
   国が行う化学物質の有害性の分類において発がん性の区分が変更されたことにより、それまでがん
  原性物質であった物質ががん原性物質に該当しないこととなった場合(リスクアセスメント対象物に
  該当しないこととなった場合を含む。)について、がん原性物質に該当していた期間に作成したがん
  原性物質としての健康診断個人票及び労働者のばく露の状況等に係る記録については、作成から30年
  間保存することを新たに義務付けたこと。

 (3) 施行期日(改正省令附則関係)
   上記(1)は改正政令の施行の日、上記(2)は改正省令の公布の日から施行すること。

3 改正裾切値告示関係
 (1) 改正内容
   令第18条第3号及び第18条の2第3号の規定に基づき、厚生労働大臣の定める基準(以下「裾切値」
  という。)について、令和7年3月31日までの国が行う化学品の分類の結果において、リスクアセスメ
  ント対象物であるジビニルベンゼンの有害性区分が異性体ごとに異なる区分に区分されたことから、
  「労働安全衛生法施行令第十八条第三号及び第十八条の二第三号の規定に基づき厚生労働大臣の定め
  る基準」(令和5年厚生労働省告示第304号)別表第2において、ジビニルベンゼンをオルト−ジビニル
  ベンゼンとそれ以外のジビニルベンゼンに分け、それぞれの裾切値を個別に規定したものであること。

 (2) 適用期日
   令和10年4月1日

4 改正令和6年度がん原性告示関係
 (1) 改正内容
   がん原性物質については、「労働安全衛生規則第五百七十七条の二第五項の規定に基づきがん原性
  がある物として厚生労働大臣が定めるものの一部を改正する告示」(令和7年厚生労働省告示第25号。
  以下「令和6年度がん原性告示」)により、がん原性物質の範囲について、「令和6年3月31日」(令和
  5年度)までの間において分類されたものに改められたが、令和6年度がん原性告示の適用時点(令和9
  年4月1日)において、既にがん原性物質の基準に該当しなくなった物質を規制の対象とすることを防
  ぐため、令和8年3月31日時点で発がん性の区分が区分1に該当しないと分類されたものをがん原性物
  質の対象から除く規定を追加したこと。

 (2) 適用期日
   告示の日

5 令和7年度がん原性告示関係
 (1) 改正内容
   改正政令により、リスクアセスメント対象物は、令和7年3月31日までに区分された物のうち厚生労
  働省令で定めるものと改められることから、がん原性物質の範囲についても整合性を図るべく、「令
  和7年3月31日において当該区分に該当すると分類されているもの(令和7年4月1日から令和9年3月31
  日までの間において当該区分に該当しないと分類されたものを除く。)」と改めたこと。
   
 (2) 適用期日
   令和10年4月1日

第2 細部事項
1 改正省令関係(がん原性物質に関する記録等の保存期間について)
  本改正省令は、がん原性物質としての健康診断個人票及び労働者のばく露状況等に係る記録について、
 がん原性物質に該当しないこととなった場合(リスクアセスメント対象物でなくなったときを含む。)で
 あっても、新たな科学的知見の蓄積によって、発がん性の区分が改めて区分1に分類され、再度がん原
 性物質になる場合もあること、また、遅発性の健康障害であるがんに対する対応を適切に行う必要があ
 ることなどがあるため、がん原性物質に該当した期間に作成した記録等については、引き続き30年間保
 存することを新たに義務付ける趣旨であり、30年間の起算日は当該記録等を作成した日であること。
  なお、30年間の算定に当たり、がん原性物質でなくなった期間を除く必要はないこと。
  また、がん原性物質であった物質が、がん原性物質に該当しないこととなった以降に作成したリスク
 アセスメント対象物健康診断個人票及び労働者のばく露状況等に係る記録については、それぞれ、保存
 期間が5年間、3年間となるとともに労働者氏名及び作業概要等の記録の作成は不要になるが、本条の改
 正の趣旨を踏まえ、がん原性物質である場合に準じ、引き続き、当該記録等を作成し、30年間保存する
 こと等により、過去のばく露歴等を適切に把握しておくことが望ましいこと。

2 改正令和6年度がん原性告示関係
  改正令和6年度がん原性告示は、令和6年度がん原性告示を改正し、がん原性物質の対象から、令和6
 年4月1日から令和8年3月31日までの間において発がん性の区分が区分1に該当しないと分類されたもの
 を除くこととされているが、これは、各年度の国が行う化学物質の有害性の分類結果は、当該年度の翌
 年度に公表されることとなっており、令和8年度の分類結果は、令和6年度がん原性告示適用時点(令和
 9年4月1日)では公表されていないことから、がん原性物質の対象から除くのは、令和7年度までの間(令
 和8年3月31日までの間)において区分1に該当しないと分類されたものと規定した趣旨であること。



このページのトップへ戻ります