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工夫・改善事例

コークス炉壁補修用エアーハンマーの振動防止器具

業種

鉄鋼業

動機

耐火れんがでできたコークス炉(炭化炉)の炉壁は、長年にわたる使用により、亀裂、欠損、肌荒れなどの損傷・劣化が進むので、炉の寿命を延ばすため、炉壁の損傷個所をエアーハンマーで削り取り、耐火物と金属粉を溶射する作業が行われる。

従来、炉壁の損傷個所をエアーハンマーで削り取る作業あっては、炉壁が800〜1,100℃にも達するため、作業者が内部に入れないので、金属管を数本溶接した3〜9mの長尺ランスの先端にエアーハンマーを取り付けて行っていた。

もちろん、振動障害予防のため、防振手袋の着用と作業時間を管理して行っていたが、腕や手の痛みを訴える作業者が発生した。

内容

5種類の試作品を経て、作業性を低下させるエアーハンマーの振動を途中で吸収、減衰させ、手元はじ部への振動伝播を緩和する防振ランスを考案した。

考案した防振ランスについて図20によって説明する。長尺ランス[2]の一部をゴム管を利用した防振部[3]を介して接続したものである。把持部の金属管[4]と先端部の金属管[6]とを直接接続せず、ホースニップル[5][7]、防振ゴム短管[8][10]金属短管[9][10]を介し、また、間隙SS'を開けて接続しているので、ランスの後部[12]から約5kg/cm2の圧縮空気を供給し、先端に取り付けたエアーハンマー[1]を作動させて作業するときに生ずる振動は、手元把持部まで伝播することなく、防振部[3]で吸収、:減衰される。その結果、低周波域での振動は大幅に減衰され、ISO許容値以下となった。また、防振ランスは、従来と同じ長さのものを用意し、補修個所の位置により使い分けるようにしたが、長いランスでも安定した作業を行えるよう炉の入り口にランス支持枠を取り付けた。

効果

  1. 周波数2〜8Hzで従来136〜140dBあった振動が100〜105dBになる等振動障害の影響の大きい低周波域の振動が大幅に減衰した。なお、防振ランスを使用して4年間、腕や手の痛みを訴える皆無である。
  2. 安定してランスを持つことができるようになり、炉口からの平均施工面積が1.5m2から2.0〜2.5m2に拡大した。

期間

昭和59年8月〜昭和60年1月

費用

約3万円(ほか試作品5種類 約3万円)

特許・実用新案申請の有無

有り

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