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工夫・改善事例

コンベアベルト片寄り自動修正装置

業種

自動車・同付属品製造業

動機

本考案は、車体用のプレス鋼板を次の工程に運ぶベルトコンベアにおいて、頻繁に生じるベルト片寄り調整作業を自動化したものである。

ベルト片寄り調整作業は、ベルトコンベアの稼動中に作業者が安全柵内に入り、ベルトコンベアの下部にある調整機構を操作して行っていた。

調整機構には、ねじ回し式とウェイト移動式とがあるが、どちらもベルトコンベアの下部で入力により調整を行う必要があった。

本作業は、常にベルトに巻き込まれる恐れがあるので、携帯用非常停止スイッチを持つ共同作業者を配置して作業を行っていた。しかし、このやり方では、作業者がベルトに巻き込まれそうになったとき、こうした危険な作業そのものの撲滅が求められていた。

内容

ベルトの片寄りを光電センサーで検知し、その信号によってロールの傾きを変え、ベルト片側の張力を変えることより、ベルトを常に自動的にコンベアの中央位置に調整する装置を考案した。(図1

従来の調整機構の方式に応じて以下の2種類の改善を行った。

  1. ① ねじ回し式をエアモーター調整式(図2)に改善
    本方式では、光電センサーの信号により電磁弁を作動させ、エアモーターにより調整ネジを回すことで、ロールの傾きを変え、ベルト位置の調整を行うものである。
    なお、異常時にはエアモーターを停止させるためのリミットスイッチを設けたほか、オーバーランした場合でも停止するようにメカニカルバルブ(エア回路)を追加した。
  2. ② ウェイト移動式をエアシリンダー調整式(図3)に改善
    本方式では光電センサーの信号により電磁弁を作動させ、エアシリンダーの伸縮により、ロールの傾きを変え、ベルト位置の調整を行うものである。
    なお、本方式のものは、センサーが故障した場合でもシリンダーの伸縮する長さに限界があるため、エアモーターが止まらずにベルトが切れる問題は生じない。
    以上、両方式とも調整機構のあるコンベアの下部への入口には安全プラグを取り付けており、プラグを抜くとコンベアが自動的に停止するため、コンベアの作動中は、危険区域内に入ることができないようになっている。

効果

  1. コンベアへの巻き込まれの危険の解消
    自動でベルト片寄り修正ができるようになり、ベルト片寄り修正作業がなくなったため、ベルトに巻き込まれる危険性がなくなった。
  2. 作業時のストレス低減
    閉所でベルト巻き込まれの不安を伴なう作業であったため、作業中のストレス低減につながった。
  3. 作業能率の向上
    作業能率面でも、月に延べて20時間費やしていた片寄り修正作業がなくなることで効率化が達成された。

片寄り修正頻度 ・・・・・・20件/月(改善前)0件/月(改善後)

片寄り修正1件当たりの時間・60分/件(改善前)0分/件(改善後)

期間

平成8年9月〜10月

費用

5万円(エアシリンダー式)、10万円(エアモーター式)

特許・実用新案申請の有無

無し

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