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調査研究情報

有害物質の曝露労働者の遺伝子型の相違と健康影響および生物学的モニタリング値との関係

調査研究機関・研究者名
  • 中央労働災害防止協会
  • 研究代表者   大前 和幸(慶応義塾大学医学部 助教授)(当時)
内容

化学物質の生体影響は、体内における化学物質自身による場合と、化学物質の代謝産物による場合がある。いずれも化学物質が代謝される速度によって体内濃度の時間的変化が生じるために、代謝に関与する酵素活性は化学物質の健康影響にとって基礎的な要素である。酵素の多形は、個体による化学物質代謝速度の差の原因となり、同一条件の曝露による生体影響と生物学的モニタリング値に個体差を生じる原因となる。一例としてアリルアミン類を代謝するN-アセチル転移酵素には2種類のアイソザイムがあり、その一種類は遺伝子多形性のないアセチル転移酵素(NAT1)であり、もう一つは遺伝子多形性のあるアセチル転移酵素(NAT2)であることが知られている。

本研究では、まず産業化学物質の代謝速度の個体差に関与すると考えられる酵素の遺伝子多形の検索を行った。遺伝子多形が知られているものとして、CytochromeP450、Glutathion S-transferase、N-acetyltransferase、Arylhydrocarbon hydroxylaseを取り上げ、これらの多形のある酵素に関連する生体影響として化学発ガンやアルコール代謝の個体差を示した疫学的調査を紹介しており、また今後の課題を指摘している。

次に具体的な例として、水加ヒドラジン及びヒドラジン誘導体曝露作業者についての生物学的モニタリングと疫学調査を行い、NAT2表現型との関係を求めた。生物学的モニタリングでは、NAT2の各表現型の酵素を保有する被験者各4名を対象とし、生物学的半減期を各表現型毎に異なる数値として決定した。健康影響調査は、水加ヒドラジン及びヒドラジン誘導体製造工場の作業者172名及び同一工場内の対照群125名について、NAT2型酵素を同定し、個人曝露測定と生物学的モニタリング、健康影響指標として血液、尿の検査、及び健康調査票による調査、過去3年間のレセプトの調査を行った。その結果、尿中ヒドラジンとアセチルヒドラジンの濃度測定による生物学的モニタリング値は酵素の型により差が見られた。健康影響調査では平均曝露濃度0.109ppm、平均曝露年数13.37年で、対象群との間に有意の差を検知しなかった。

目次
  • 産業化学物質を代謝する酵素の遺伝子多型の検索
  • 調査研究
  • まとめ
発行年月
平成8年度(平成9年3月)
備考
-

<ご利用する際の留意事項>

各年度に掲載されている報告書等の問い合わせ先等は、報告書等を作成した時のものです。

平成22年度までの調査研究情報は、厚生労働省の委託事業で掲載したものです。

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