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調査研究情報

有機溶剤ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド代謝酵素チトクロームP450IIE1の遺伝子多型と生物学的モニタリングの関連に関する調査研究

調査研究機関・研究者名
中央労働災害防止協会
代表者   大前 和幸(慶応義塾大学医学部 助教授)
内容

本書は平成9年度に慶応義塾大学の大前和幸助教授等が行った研究の報告書である。化学物質の生体への摂取量または生体影響を推定する指標の一種である生物学的モニタリングは、化学物質が体内に摂取された後、その物質または代謝物が血液または尿などに分布または排泄させる量の測定によるが、代謝には個人差があり、その個人差の原因が代謝に関与する酵素量の個人差であること、また酵素量の個人差は酵素量を制御する遺伝子の個人差であることが知られている。本研究では工業用有機溶剤であるジメチルホルムアミド(DMF)とジメチルアセトアミド(DMAC)の生物学的モニタリングの基礎研究として、これらの物質の代謝酵素であるチトクロームP450(CYP2E1)に関する遺伝子の多型と、尿中代謝物であるNMF、NMACの補正方法について検討した。またこれらの物質の蒸気曝露による経皮吸収と経気道吸収の寄与率について検討した。

研究内容はDMFとDMACの毒性に関する文献調査とヒトボランティアによる曝露実験でのCYP2E1表現型の有無と尿中代謝産物の測定である。

文献調査によればCYP2E1遺伝子にはA型、B型及びC型の3型がある。曝露実験はそれぞれ12名の被験者により、DMFとDMACのそれぞれの蒸気に経気道的曝露と経皮的曝露を区別する方法で曝露し、曝露前1時間から曝露後96時間までの尿を採取した。被験者のCYP2E1の型も測定した。その結果、経皮吸収されたDMFの尿中NMFの半減期はCYP2E1遺伝子の型によって4.7時間(A型)、3.9時間(B型)及び3.1時間(C型)であった。経気道吸収された DMFでは尿中半減期は3.1時間(A型)、2.8時間(B型)及び4.5時間(C型)であった。DMACについても同様の測定を行った。測定結果から尿中代謝物濃度をクレアチニン補正することが適当であり、DMF曝露作業ではシフト後 1時間での採尿、DMAC曝露作業では2〜3時間後の採尿が適当であることが分かった。

目次
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発行年月
平成9年度(平成10年3月)
備考
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<ご利用する際の留意事項>

各年度に掲載されている報告書等の問い合わせ先等は、報告書等を作成した時のものです。

平成22年度までの調査研究情報は、厚生労働省の委託事業で掲載したものです。

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