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調査研究情報

漆器産業における有機溶剤取扱い作業者ばく露濃度と生物学的モニタリング及び健康影響に関する調査報告書−山中漆器産業(石川県)の実態−

調査研究機関・研究者名
  • 中央労働災害防止協会
  • 大阪労働衛生総合センター(共同研究)
内容

平成6年度から中央労働災害防止協会大阪労働衛生総合センターが行った漆器産業における有機溶剤の労働衛生管理に関する調査の一環で、平成6年度と平成7年度に行った紀州漆器産業の調査に続くものである。本調査では紀州漆器産業調査の中で開発した安全衛生診断マニュアルに基づく現場調査の他に、作業者の運動・感覚に関する神経学的検査、自己洞察や他者との交流を分析するためのエコグラム(東大式)調査、エチルベンゼン、ブチルセロソルブ、シクロヘキサンに関する生物学的モニタリングのための尿中代謝産物濃度と曝露濃度の関係調査を行った。

調査対象とした山中漆器連合共同組合は組合員723事業場、全従業員数は約3,400人で、漆器を製造工程別分業体制と家内企業の形態で製造している。有機溶剤作業は塗装工程、蒔絵工程及び上塗工程に限定されており、その従業員数は組合全体で1,100人程度である。塗装工程は主にスプレーガン塗装と熱風乾燥で行い、水洗ブース式局所排気装置が設置されている。15%程度の作業場はクリーンルームを保有している。蒔絵工程はスクリーンと手描で行われており、少量ながら有機溶剤を筆で使用する。上塗塗装はスプレー塗装と伝統的な漆上塗乾燥を行っている。

塗装工程で使用している有機溶剤はトルエン、キシレン、メタノール、酢酸ブチル、酢酸エチルが多く、蒔絵工程ではその他にイソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、セロソルブ類が見られた。上塗工程ではテレピン油、トルエン及び揮発油の使用があった。作業環境測定を行っている事業場は全体の4.2%、有機溶剤検診受診率は 52.1%であった。

チェックリスト調査結果を紀州漆器産業と比較すると、よく実施されている項目は紀州漆器と同程度のほぼ50%であるが、山中漆器産業ではゴム手袋の使用は高率である半面、呼吸保護具の整備は低かった。作業環境測定と生物学的モニタリングの結果から評価値が1を超える事業場は塗装工程と上塗工程で少数ながら見られた。

目次
  • 「山中漆器」の概要
  • 事業所に関するアンケート調査
  • 自点検・評価のためのチェックリスト
  • 作業環境調査
  • 生物学的モニタリング調査
  • 健康影響調査
発行年月
平成9年度(平成10年3月)
備考
-

<ご利用する際の留意事項>

各年度に掲載されている報告書等の問い合わせ先等は、報告書等を作成した時のものです。

平成22年度までの調査研究情報は、厚生労働省の委託事業で掲載したものです。

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