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工夫・改善事例

電柱・ケーブル吊線への梯子固定装置

業種

電気通信工事業

動機

この事業場は、電話関係工事を施工している。この中では、架空線路工事が約80%を占め、電柱および架空ケーブルの吊り線に梯子を立て掛けて行う高所作業が多い。従来からグラスファイバー梯子を使用しているが、転移防止のため、電柱で使用するときは、梯子の下方の桟と電柱とをロープでつなぐか、ほかの者が支え、上ってから梯子上部を電柱に縛り付ける(ほう縛)方法を取っている。

また、電柱間のケーブル吊線にたてかけた梯子を昇るときは、ほかの者に支えさせて、昇ってから梯子上部を吊線にほう縛する。

 なお、電話線の高さは地上5〜5.5mである。降りる場合は、この逆の作業となり、梯子上部にほう縛したロープを外してから降りる動作に移る。したがって梯子の昇降時には、梯子上部が固定されていないため、グラつくこともしばしばあり、危険な状態が続いていた。そこで、梯子の固定方法について、サークルを編成して改善に取り組んだ。

内容

梯子の片側の主柱の先端に、ほう縛ロープの一端を固定し(金具を付け)て、ほかの主柱先端には、ほう縛ロープをガイドするリング付きロープの末端を巻き取るリールを取り付け、地上からのロープ操作によって、梯子上部のほう縛および解除ができるようにした。

作業で使用している梯子は、NTT仕様によるスライド式2連(2段で伸縮する式)梯子で、先端には、フックが取り付けてある。

今回の考案による金具類の取り付けは、すべて、このフック取り付け用に加工してある既存の穴わ利用して行い、新たに加工をしていないため、購入時の強度は維持されている。

なお、梯子本体の重量は20kg、新たに取り付けた金具類の重量は400kgである。

  1. 電柱の場合の操作手順
    1. ① 梯子を電柱に立て掛け、ほう縛ロープを地上で電柱裏側に回し、リングロープを緩めると自重でリングが下降するので、リングにほう縛ロープを通す。
    2. ② リングロープを巻き取ると、リングは、ほう縛ロープを通したまま固定金具のストッパーに当たって、ピンに引っ掛かる。
    3. ③ 次に、ほう縛ロープを引いて、梯子のステップに結び付けると、電柱と梯子上部がほう縛される。
  2. ケーブル吊線の場合の操作手順
    1. ① 架線に梯子を掛ける(梯子の上端が架線上50〜60cm出るように)リングロープを緩めると、リングは架線の後ろ側を通って地上に下がる。
    2. ② ほう縛ロープを解いて、そのままリングに通して双方を引っ張ると、ほう縛ロープは架線を巻く形になる。
    3. ③ 梯子の高さを、フックが架線にかかるまで調節した後、リングロープを引き、ほう縛ロープをいっぱいに引いて固縛することによって、梯子上部は架線にほう縛される。

効果

  1. 梯子昇降時に、上部が固定され安全性が向上し、仕事がやりやすくなった。
  2. 一人で操作することも可能なため、補助者がいなくても取り付けられるようになった。

期間

昭和63年6月〜平成元年7月

費用

一組 約8,000円、60脚製作(20の支店・営業所および協力会社用)

特許・実用新案申請の有無

有り

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