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工夫・改善事例

回転式部品供給タワー

業種

自動車・同付属品製造業

動機

「ひとにやさしい車」、「ひとにやさしい工場づくり」を目指している同工場は、働く人々が豊かにのびのびと快適に働けるよう、社内の提案制度を生かすことにより、働く人々の満足を実現させている工場である。

自動車の製造には、いくつもの部品が使用されている。これらの部品はパレットにセットされており、台車に載せて加エライン側に供給している。しかし、このパレットは135kgもの重量があり、台車による運搬作業はかなりの重筋労働であった。また、パレットを交換するためには、加エラインの裏側に回り込む必要があり、そのための歩行ロスと「またパレットを交換しに回らなければならない」という、精神的な負担が伴っていた。

そのため、「女性には無理な作業」という認識が強かった。

そこで、精神的な負担を取り除き、女性でも比較的楽に作業できるように、次のような装置が考案された。

内容

考案された回転式部品供給タワーを写真1に示す。

この考案は、作業者が加エライン側で起動スイッチを押すことにより、空になったパレットと部品がセットされているパレットを入れ替えることができるものである。そのため、作業者は加エラインの裏側へ回り込むことなく、パレットの入替えをすることができる。パレットがどのように入れ替わるのか次に示す。

  1. ① パレットにセットされている部品が空になると加エライン側の作業者は、供給タワーの起動スイッチを押す。
  2. ② 回転式アームのピンが空パレットのピン受けにはまり、アームの回転に合わせて空パレットが上昇する(写真2)。
  3. ③ 加エラインの裏側では、回転式アームの丸棒に部品がセットされているパレットの背が押され、ローラーコンベアの上を移動し、パレットの入替えが完了する(写真3)。

この装置により、作業者の精神的な負担、重筋労働を取り除くことができるようになった。

しかし、この装置の導入により、はさまれ・巻き込まれ等による災害が発生しては意味がない。

そこで、さまざまな安全面への配慮も施した。

まず、操作を行うための起動スイッチは自動と手動の切替えができるものとした。また、この起動スイッチと連動させたインターロックをローラーコンベアの所定の位置に施した。さらに、装置の両側面にはカバーを取り付けた。

このような安全面への配慮により、はさまれ・巻き込まれ、パレットのズレ等による落下事故もまた防止することができるようにした。

効果

「部品がなくなりそうだ」、「またパレットを交換しに行かなければ」、「作業を中断しなければ」というような精神的な負担を取り除くことができた。また、重いパレットを押し引きする必要がなくなり、だれでも比較的剰こ作業ができるようになった。さらに、パレットの入れ替えを3次元で行うことができることから、台車で運搬作業を行うスペースが必要なくなり、スペースにも余裕ができた。作業スペースが狭い中小企業にも応用できる考案である。

期間

平成8年4月〜10月

費用

323,000円

特許・実用新案申請の有無

無し

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