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工夫・改善事例

トレーラー上の大径鋼管玉掛用作業台

業種

道路貨物運送業

動機

50cmから160cmの種々の口径の鋼管を、40t積み平底式フルトレーラに段積みし、構内の岸壁に運搬して、クレーンにより船舶に積載する作業を行っている。この場合に、岸壁での玉掛作業は、長尺レールハンガーへの爪ハッカーによる2本づりのため、管の長さや径により、玉掛者が管段上に昇って作業する場合が多く、安全面で問題視され改善が望まれていた。また、安全確保のために、管の段積み高さを制限していたので、車両の輸送効率も悪かった。

そこで、作業台を製作して使用することを計画した。この場合に、安全で能率的な玉掛け作業ができること、かつ、作業台を定位置に一度セットすれば、玉掛者1人で任意の位置に固定でき、しかも高さの調整ができることを目標とした。

内容

作業台には移動式の台車後部用と台車固定式の前部用の2種がある。

後部作業台は水平足場、昇降階段および、それらを支持する支柱部分で構成され、支柱を中心とする前後の荷重のバランスにより、転倒しないようになっており、水平足場に乗る人数は2名を限度に設計されている。支柱部分には、水平足場と昇降階段を旋回させるための回転部と、それを受ける固定部がありまた、静止時に用いるブレーキ装置が設けてある。

水平足場と昇降階段の連結はピンで行い、高さが2段階に調整出来る。支柱と水平足場は、ワイヤロープで支持され、足場の前傾または、後傾の調整はターンバックルで行う。

作業台を旋回させるには、クランプ方式のブレーキを開放し、階段昇り口の手すりを玉掛者が押す。台車上に段積みされた管の後部に水平足場が達した時に旋回を止め、ブレーキを下げて固定する。

なお、作業台の移動にはフォークリフトを使用し、支柱部分の台にはフォークの差し込み口がもうけてある。

次に、前部用の作業台は、台車の前部に固定する方式で、脱着は脚の差し込み穴によるボルト止めで行う。しかし、一度台車にセットすれば、頻繁に脱着の必要はない。昇降階段も固定され、階段上の踊り場を基点にして水平足場は上下3段に高さを調整でき、その固定は4脚部にボルトを差し込んで行う。

なお、鋼管を台車に積み込む場合には、管の前端をこの作業台の直後に合わせるようにし、管長の大小による後端位置の玉掛時における調整は、移動式の後部用作業台で行う。

効果

玉掛者が爪ハッカーを操作する場合に、従来の鋼管上を歩行する危険な動作および背面や斜め後方を向きながらの無理な姿勢が、作業台の使用によって解消した。そのため、作業者の肉体的な負担が軽減され、安全な作業が実施できるようになった。

また、車両の制限積載量近くまで管を段積みできるようになり、作業効率の面でも効果は大きい。

期間

昭和63年2月〜5月

費用

約42万円

特許・実用新案申請の有無

無し

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